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世論は疑ってかかるべし

2010-01-31

30日(土)半ドンの仕事を終えて、午後は急いで文京区民センターへ。有田芳生さんが勧めていた『消えた警官―ドキュメント菅生事件』(講談社)出版記念シンポジウムに参加した。著者の坂上遼さんの講演に始まり、『ジャーナリズムの可能性』(岩波書店)の著者・原寿雄さん・TBSでラジオ報道に長く携わった田原茂行さん・司会は「日刊ゲンダイ」編集部長などを経験された二木啓孝さん。そこに有田さんが加わり、シンポジウムが展開された。

 大きなテーマとして提示されたのは、「権力犯罪」と「調査報道」ということ。記者クラブに依拠した「発表ジャーナリズム」は世論操作システムになっており、そこから出てくる世論は「疑ってかかるべし」と原さんの弁。その上で「調査報道」の重要性が説かれていた。また有田さんの弁には、「58年前の事件を題材にした書物がなぜ今出版されるのかに注目する」と。その上で「現在の問題に連なる歴史の記録」としての重要性を説いていた。

 一般人である我々が、「報道」を見る目は無知に等しい。表現として報じられた内容が、どのような経緯で、どのような情報をもとに、どのような立場で書かれているかということを意識して見ることをしない。最近は新聞記事にも、記者の名前が表示されているものが増えたが、その報道の責任はどこにあるのか?新聞とはいえ匿名性の中で表現される内容の信憑性やいかに?である。その「公正中立性」を担保できるものは何か?事件や社会問題を扱う際の「アジェンダセッティング」いわば、視点・意識をどこに置いて報道されているかということに敏感にならなくてはいけないはずだ。

 ノンフィクションの執筆過程は「人の話を繋いでいくことだ」という坂上さん。「発表しないことを書くのがジャーナリズムだ」という気概を述べた原さん。長年のジャーナリズム魂が、十分にその話の中に浮き出した内容であった。しかし、司会者の二木さん、もう少し有田さんの発言機会を設けてほしかった。後半は「年功序列」なのか?原さん・田原さんの話が殆どで、しかもやや冗長になってくる。ジャーナリストの「書く力」と「話す力」は異質であるということも体験できた。「小沢民主党幹事長と検察の関係」は、まさにホットなニュースであるが、そんな点に関する質問が会場から多かったのであるから、有田さんの出番が求められた。

 シンポ終了後は、有田さんに誘われて懇親会に同行した。坂上さんをはじめ、何らかの形で出版やメディアに関わる方々の中で、やや場違いな所に来た印象を持ったが、それでも何人かの方々と名刺交換。未知の業界で活躍する方々との交流こそ、自己の殻を破り、新たな視点をもたらす重要な機会であるはずだから。

 懇親会の途中で有田さんとともに退席。有田さんは翌日も埼玉県東松山市で「医療問題」に関する講演があるので、その準備もあるということ。適度な時間を懇親会の席上を濁したことに。ここでの出会いがまた自分に新たなものをもたらせてくれるだろう。

 有田さんに同行し、本郷三丁目の駅から丸ノ内線で池袋まで。Iphoneの話や個人的な仕事な話など、様々に語り合える時間となって、大変光栄であった。有田さんは、携帯の電池具合が悪く、携帯ショップに寄るという。場所を知っているので同行しますと進言すると、「時間の無駄ですから」と。やはり世の中で何事かを成してきた人物の言葉は重い。その言葉の裏に「あとは自分の時間を自分のために使って」という優しい気持ちが込められていた。別れ際にこちらが恐縮するほどご丁寧に頭を下げ、その笑顔から感じた無言の背後に、深い含蓄が横たわっていた。

 その後、自宅で残っていた豚汁とうどんの食事。何だか時間を有効に使って自己の創作的な仕事をしていく意欲に満ち溢れた。食事後、いくつかのつぶやきをしてからジムへ。昨日のボディパンプでかなり筋肉が張っているので、サウナと冷水温水浴の繰り返し。気分も身体も十分に今週の疲れを癒すことができた。

 1月も大詰め、新しい出会いとツールを得て、この1カ月の精神状態はかなり前向きである。
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