小説が呼び起こす「点」と「線」
2013-04-30
1秒・1分・1時間・1日日々を「点」の積み重ねで生きる。
それがいつしか「線」となっている。
平板に流れているように見える”時間”は、
各自の「点」によっては大きな波を生じさせる。
それを予測できようができまいが、
人は日々、その「点」を積み重ねることしかできない。
意図せずに過ぎた「点」が、後になって”波”の原因になったりもする。
全てを読み切れない偶有性に満ちているからこそ、
人生は面白のかもしれない。
小説の一節を読んでいて、
ある語句が喩えようもなく気になることがある。
その地点で文字を追うことができなくなるほどに、
自分の意識の中から、様々な”波”の体験が顔を覗かせる。
行間に埋め込まれた僕にしか”読めない”無意識の装置。
「破綻の時期」
そんな「点」を繰り返すこともある。
ただし”波”は押し寄せれば必ずいつかは引いて行くものだ。
最下降の「点」は意識されないままに、
いつしか上昇への契機となる。
この10年ほどの「線」を繋いで思うことども。
それにしても小説の深淵は偉大である。
「狂うための期間」
たまらない・・・
小説を”読む”という「点」の繰り返し。
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