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今年度「授業に活かす朗読講座」開講

2013-04-28
今年度「授業に活かす朗読講座」の開講。
昨年度までとの大きな違いは、1日(90分×3)の授業を、
5回シリーズで発表会まで行うこと。
原則月1回月末実施ということになる。
なお、あらかじめ小欄でお伝えしておくが、
今年度の「朗読実践への提案IN早稲田2013」は、
7月27日(土)午後、早稲田大学にて開催の予定である。

「朗読表現」や「届く声」を意図したこの講座、初回にどのような船出となるかは、非常に重要である。まず第1声で挨拶、その反応がどの程度のものか。〈教室〉に座っている受講者たちの個々が、僕に向かって挨拶の声を届けようという意図があるか?そこに耳を傾けながら、開講の挨拶に臨む。幸い今年度は、大変明るくしかも張りのある挨拶の声が返って来た。いよいよ4ヶ月に及ぶライブ空間の立ち上げである。

僕を含めた授業スタッフの自己紹介。授業ガイダンス。そして「春が来た」を使った「音読・朗読」定義の体験的理解。『竹取物語』冒頭文のミニ群読。まずはこの授業の基本方法を提示する。次第に受講者の声と顔が上を向いて来る。この講座出身のスタッフの一人が自己紹介の中で語っていた。「この授業は、〈朗読〉を学ぶのみならず、ここに集まる人同士の関係を作ることである。」と。まさにコミュニケーションを創り上げるのが、発表会までの長くも楽しみな道程である。

初回の発表題材は「かさじぞう」。小学校教科書にも掲載されている定番教材であるが、やや中等教育向けに脚本化したものを用いる。スタッフによる全文内容を把握するための「音読」が2回ほど繰り返される。冒頭と終末のテーマ曲決定や音響効果音の確認を経て、4班に分かれどのように読むかの相談を開始。班分け時点から学生の自主性に任せて「春夏秋冬」の誕生月ごとに別れる活動から始めたが、実にスムーズかつ主体的に学生は動いた。

各班の相談に耳を傾けると、読みの分担や配役などに留まることなく、作品場面の解釈に踏み込んだ議論へと発展していった。「おじいさん・おばあさん」の台詞、2人の関係性や性格、街の中で出会う声の節回し、地蔵の声、地蔵の力等々。次第にその定番作品を個々の学生が読み解こうとしていく。更に発表の為に一つの表現として意見を擦り合わせて行く。その進行具合が、初回とは思えないほど豊かな流れを見て取ることができた。

今回は、4ヶ月間で発表会まで漕ぎ着ける為の模擬体験でもある。
土曜日午後の集中講義ということもあってか、
教育学部以外の学生も多く、また単位互換による他大学の学生もいた。
幸い授業3時限分という流れがむしろ有効に作用した。
開講とは、学びの教室に集まる人々の関係を立ち上げること。
まさにそれを実感できる初日であった。

次回は、5月25日(土)
「近代小説の朗読
 中学校教材としての芥川龍之介『杜子春』」となる。

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