大学購買部レジにて
2013-04-26
大学の購買部レジで、店員さんとお客さんの女性同士が話し込んでいる。書籍の支払いをすべくその後方に並んだが、にわかに話は終わらない。
横で別の仕事をしていた店員さんが、レジに入ろうとしてようやく気付いたらしく、
「ごめんなさい」といって僕の支払いする順番が回ってきた。
特に腹立たしいわけでもなく、和やかな光景であると僕は受け止めていた。
僕が2冊の書籍の支払いを終えると、店員さんは何の話題で話し込んでいたかを僕に語り始めた。この大学オリジナルな製品についてであると。大学で飼育された牛の肉を使用したレトルトカレーがあるというのだ。その製品は、牛が食肉用にされないと製造されないという。大学の農学部が実習用に飼育しているのであろうから、どんなタイミングで食肉用にされるのだろうかなどと、あれこれ考えた。それにしても「大学Beef100%」などという表示は稀少であると感じた。
まずは、この購買部の店員さんの姿勢そのものが、実にのどかである。都会の大学の購買部であったなら、「待たせたのだから、1秒でも早く精算を終えて客を開放しろ。」といった気持ちが、双方に生じるだろう。それほど都会では、時間が過密に流れている。よくスーパーのレジに並んでいても、いち早くというような憤慨した形相で待っている人が多い。都会生活とは「待ちきれない」社会そのものである。
こんな状況があって、2日後に再び購買部に行った。店舗に入るとレジ方面から視線を感じる。その時の店員さんともう一人の新人の店員さんが、僕の方を見て微笑んでいる。おもむろにレジに近づくと、例の店員さんが「先生!カレーを買いに来たのですか?」と声を掛けてくれた。まさに図星であっただけに、こちらも「読まれていましたね!」とことばを返した。先月にお世話になった方々に、このカレーを贈ろうという意図で、少々大量にレトルトを買い込んだ。
会話ある店舗。
まさに僕の希望する環境だ。
大学オリジナルな製品が、ビーフカレーというのも面白い。
大学内で、ひとつの憩いの場が見つかった。
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