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「0」「4」「7」の正体は?

2013-04-23
「1」から「10」まで声に出して読んでみよう。
次に「10」から「1」まで逆に声に出して読んでみよう。
前後の音読における違いに気付くだろうか?
そう!「4」と「7」の読み方が違う。
前者は、「し」「しち」で、後者は「なな」「よん」となるはずである。
これは井上ひさしが、『ふかいことをおもしろくー創作の原点』(PHP研究所刊)の中で
述べていることである。(NHKBS「100年インタビュー」の単行本化)


僕はこの気付きを拝借して、授業の中で日常的な音声表現を語る場合、受講者に体験的な導入として実践している。なかなかその理由は「ふかいこと」なのであろうが、それをとりあえず置いておいて、「おもしろく」体験できる機会となる。「ことば」に対して小さな”気付き”を持つことは、どの年齢においても大変重要である。まさに「学習指導要領」における、「言語感覚を養い」ということになるだろう。

久しぶりに、この「1〜10の昇順・降順”音読”」を思い出した。その契機は、国語辞典編集者である先輩・神永暁氏の連載コラム(日本語、どうでしょう?第156回数字の「0」はゼロかレイか?)によってである。当該欄では、「数字の「0」はゼロかレイか?」を話題にしている。基本的に「ゼロ」とは「英語」読みであり、「レイ」が「零」の漢字音であり、「改訂常用漢字表」には「ゼロ」は示されていない。またNHK『ことばのハンドブック第2版』では、原則が「レイ」であるが、「ゼロ」と「固有の読み方が決まっているもの(「海抜0メートル地帯」とか「零戦」などの例を挙げる)」は、「ゼロ」を使うべきだという断り書きがあるという。

確かに、冒頭に示した「1〜10の”音読”」に「「0」を加えて読む場合も、多くの人が「ゼロ」と読むのではないだろうか。とりわけ、「10〜1」と「カウントダウン」する場合などは、「0」が強調されるゆえ(物事の到達・達成感が強調されるから)、ほとんどが「ゼロ」以外は考えづらいように思う。ここで日本語として問題なのは、その「ゼロ」が「外来語」であるという由来を忘れ去られているということだ。となると清涼飲料水の後につく「ZERO」の表記などはむしろ妥当ということになる。前述したコラムでも、「何もないことを強調する場合」「ゼロ」を使用すべきだ(『ことばのハンドブック第2版』)としている。

様々な観点から勘案すると
「ゼロ」
「レイ(れい)」(「ゼロ」と区別するには「れい」だが、漢字音読みだと「レイ」とも)
といった表記の上でもこの読み方を意識すべきであり、
当該コラムが結論として語るように「使い分けが必要なようだ。」となる。

ひらがな・カタカナという2種類の表音文字を有する言語において、
大変特徴的な現象が顔を覗かせているということであろう。
「音読」してこそ気付く視点がある。

さて、「4」「7」の読み方の問題をどう考えようか?
神永氏にも提示してみたが、今後じっくりその理由を調べてみたい。
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