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我が愛するBoston

2013-04-17
その街に出逢ったのは9年ほど前になるだろうか。
サンフランシスコから北アメリカ大陸を横断し空路ローガン国際空港に到着。
やや湿気を帯びた空気が僕を出迎えてくれた。
高層建築と歴史ある建造物が融合した美しさ。
チャールズ川の流れに学術的な気高さが感じられた。
それ以来、僕は米国都市のなかで唯一ボストンを愛してきた。

昨日、日本時間早朝からボストンマラソンゴール付近での爆発事件をTwitterで知った。やりきれない思いから、多くのWeb上の情報を追った。なかには爆発の瞬間を捉える映像もあった。僕が図書館や教会という美しい街並を享受しながら、優雅に歩いていた大通りでの悲劇。普段なら”ダックツアー”なる水陸両用車に観光客が乗り込み、開放された車上から「クワッ!クワッ!」というアヒルの鳴き真似を通行人たちに笑顔でふりまくあたりである。”現地”を何度も通ったことのある僕は、その爆発映像に悔しさと悲しさで涙が止まらなくなった。

ボストンを最初に訪れる1年前の10月、レッドソックス対ヤンキースの壮絶な闘いを映像を通じて観戦し、僕の新たな野球ファン人生が始まった。その03年ポストシーズンでは、松井秀喜の活躍もあってレッドソックスがヤンキースに敗れた。そこで僕は、勝利者ではなく敗者側の気概と論理にのめり込んだ。名門チームといわれながら、80年以上も「ワールドチャンピオン」から見放されている球団。されどファンが熱心に応援する姿勢を失わない”風土”を僕は映像からも感じ取った。

翌年、実際にボストンに行くとそのファンの意識の高さに驚いた。彼らは野球そのものの緻密さと精巧さを十分に楽しんでいた。打球音に反応して歓声を上げるタイミングを心得ている。戦況次第で「ここはダブルプレー狙いが必要だ!」と渋く口ずさむ老夫婦の旦那。老婦人であっても投手の投球コースの如何を論評する内容を口走る。もちろん集団を先導する”応援団”はいない。だが誰からともなく「Let's go!!! RedSox!!!」の声を上げ始め大勢が呼応していく。そんな球場の雰囲気のなか、レッドソックスがサヨナラ勝ちを収める試合を観戦することができた。

それ以来、ボストンを足繁く訪ねてきた。
次第に街の随所を訪ねる機会も得た。
もちろん日常の日本での生活では、レッドソックスの試合を映像を通じて観ることしかできない。
それでも僕はもはやこの街そのものを愛している。
この日も、レッドソックスがサヨナラ勝ちを収めた直後に、
その歓喜を潰すかのように、得体の知れない暴力があの美しい街を襲った。
正直なところ、かなりの動揺でそれ以後の予定を変更しつつ1日を過ごした。
更に言えば、どうも全てのタイミングが悪く心が低調な日となってしまった。


一言だけいっておこう。
暴力はいかなる理由があろうとも許されるものではない。
ましてやスポーツを楽しむ人々を無差別に襲う行為の卑劣さ。

僕たちには「ことば」と「文学」があるのだ。
どんなことがあろうとも、「ことば」の偉大さを貶めてはならない。
何とも表現しがたい感情で、このことを饒舌には語ることはできないのだけれども。

犠牲になってしまった方々のご冥福を心よりお祈りするとともに、
負傷した方々の1日も早い回復を願うばかりである。
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