学食の味
2013-04-06
大学に入学して最初に食べた食事は何か?思い出すに、やはりカレーライスではなかったかと思う。
正門前から商店街が続く通りで「キッチン○△」という店だった。
今でもその店は健在で、店主も当時と同じ表情でフライパンを振っている。
その後、学食を始め様々な昼食に出会った。
東京の大学では、キャンパス周辺に「街」が形成されて様々な飲食店が軒を連ねていた。そうした店の中でも何軒かで常連となっていて、店のおばさんが母親のように僕ら学生のことを心配してくれていた。勉強のこと、サークルのこと、はてまた恋愛のことまで。また別の店ではこれ以上ないぐらいの家庭料理がメニューである店もあった。中華料理の”名店”では炒飯を大盛で注文するとプラス100円で飯の量は2倍になった。(文章の趣旨を違えて、ついつい自分の学生時代の思い出を語ってしまった。)
この1週間、新たな職場に来て「学食の味」を堪能している。自然に囲まれた郊外(都市の郊外というレベルではないほどの”郊外”と言っておこう)のキャンパスでは、昼食は学食が生命線だ。学生の中には、朝昼晩に学食を利用する者もいるという。大学生協が運営しているこの学食は、メニューも豊富で予想以上に食事を楽しめる。材料も地元産のものを中心に、せいぜい県周辺地方からのものを使用しているという。もちろん生協職員の方々や食堂調理に従事する方々も、地元の方が殆どであるそうだ。
当初は、学生の中に埋没して食事をするのはどういうものかと思っていたが、食事という人間が生きることの大きな一要素を場として共有することは、考えていた以上に貴重であるように思えて来る。同じ(ような)昼食を食べた者同士が、その後授業で学問を論じ合う。何とも美しい光景と言えるのではないだろうか。もちろん食事のバランスも良く、カフェテリア形式により野菜も豊富に選択することができる。値段はせいぜい500円もあれば十分である。(レシートには選択したメニューの総カロリーが表示され、「赤」「緑」「黄」の比率も表示される。)
僕が学生時代は、前述したように「街の店」派であったが、
ここに来て「学食」派になりつつある。(ならざるを得ないということかもしれないが)
まだ授業は始まっておらず、顔見知りの学生もいない。次週の授業開始とともに、周囲から”認識”されることが多くなった際に、どのような思いを抱いて食事をするかが今から楽しみでもあるのだが。
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