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人の心に支えられ羽根で飛んだ日

2013-03-26
「羽根がないのなら作ればいいでしょ・・・」

浜田伊織さんの曲・『羽根』の一節。
ライブで、しかも彼から1mほどの距離で、
この曲を初めて聞いた時、思わず涙が溢れた。
その涙の意味は、僕自身の当時の気概と、
この詞(ことば)が高水準で合致したから。
曲の中では、このことばを彼女が彼に贈るという設定。
この曲を聞くに至るまでの8年間ほど、
僕自身も同様の境遇で発せられることばによって
日々自分を支え、変革を遂げるべく歩んで来ていた。
歌詞は実体験に拠って、深い処まで“腑に落ちる”のだ。

その浜田伊織さんが、僕に温かいメッセージをくれた。返信で僕は、「ようやく羽根が作れました。」と書いた。すると早々に彼はブログ(浜田伊織オフィシャルブログ「羽根」)にその交流を書いてくれた。文学やことばの力を研究レベルで追究してはいるが、“僕たち”の構築する理論が効果的に人心を動かす訳ではない。(ない場合が多い。)むしろ「歌曲」という方法で、リズムにのせて詞を語る方が遥かに人心に深い感激を提供できる。あるライブの折に僕は伊織さんと話していて、そんなミュージシャンと研究者の“断層”を感じ取った。ゆえに彼と詞の話をじっくりしてみたいという衝動に駆られた。彼は彼なりにきっと作詞の段階で、他者が想像もつかないほどの苦労があるに違いない。そしてまた研究者としての僕も、その成果によって人心に豊かさを提供できる存在でなければならないと藻掻くのである。この双方の苦悶を擦り合わせた時、きっと豊かで新たな道が見えて来そうな気がしている。未だ実現していないそんな機会を、近いうちに持ちたいと念願している。

人は詞に心を動かし、そして行動として昇華させる。
その詞が含有する世界観は、常に一番身近にあるはずなのだが、
気付かずに過ごしている場合も多い。
一曲の歌詞によってそれに気付いた時、
人はいつしか「羽根」をもって空さえも飛べる。

人と出逢い、歌と出逢い、心の豊かさに出逢う。
10年前の僕にはなかった豊穣な心。
浜田伊織さんと出逢うに至るまでにも、
いくつもの温かい人の心がある。
その全ての人々の心によって、僕は「羽根」を手に入れた。

だがしかし、
この「羽根」に決して驕ること勿れ。
伊織さんとの交流への基点となった方の顔を思い浮かべ、
僕は、“今”をこのように噛み締めるのである。


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