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いってらっしゃいステーキ

2013-03-23
まずは頭髪のカットに出向く。
30年間、彼以外の人にカットしてもらったのは数回。
(彼がやむなく外出し、妹さんと弟子にカットしてもらった2回ほど)
笑顔と活気溢れるその店では、
整髪後に客を見送る際に、「いってらっしゃい」といつもいう。
それが真実味を帯びて聞こえたのは長い歴史の中でも初めてである。
彼は店頭まで笑顔で僕を見送った。
来月から僕は、この店でも最も遠くに自宅を持つ顧客となる。

そして次は、馴染みの洋食屋さんへ。
奥さんが笑顔でワインボトルを1本提供してくれた。
そして旦那さんが、温かいお気持ちの分だけ
サーロインステーキを焼いてくれた。
ここ3年間ほどの苦闘の中で、いつも心身に栄養を与えてくれたお店。
英会話に通うという執念によって出逢ったお店。
1年ほど前までは、馴染みの老人とカウンターでいつも語り合った。
90歳を過ぎた老人のことばから学ぶものは多かった。
その老人も、自ら施設で生活することを選択しその店には来られなくなった。
そして、僕も“毎週”というわけにはいかなくなる。
店のご夫婦のこの上なく温かい気持ちに、ここでも見送られた。

 この日の締めは、母校近くの居酒屋さん。
大学の授業がないこの時季は、閉店が早いこともしばしば。
既に半分ほどシャッターが降りていたが、店の中を覗くと常連さん2人。
店主ご夫妻・女性2人の常連さんと1杯の焼酎を呑んだ。
精神的に困窮した時に、いつも励ましの言葉をくれたこの店。
常連さんたちとともに花見や富士山ツアーにも参加した。
そして娘さんの結婚パーティーでは、大胆にも英語でスピーチを敢行した。
(ご主人がフィンランド人であり外国人来賓が多かったため)
その全てが僕を支えて来てくれた。

連続で3軒の店を訪ねた。
いずれも僕にとって不可欠な大好きなお店。
帰路では、母校時計台の灯火が見送るかのように語り掛けた。
そして東京の桜も満開となって花のアーチを築いてくれた。

カット
ステーキ
焼酎

「いってらっしゃい」の声を心に響かせながら。


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