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「見つめる鍋は煮えない」

2010-01-23
22日(金)早く煮えないかと鍋を見つめていると、なかなか煮えないという経験は誰にでもある。しかし、目を離して他のことに気持ちを移していると、知らぬ間に沸騰しているというものだ。『思考の整理学』を読了して、その比喩や含蓄の深さを十分に「思考」することができた。読書というもの自体が、受け身であってはならず、自ら学び習得すべきものであるはずだ。

日常においても、小さなことにこだわり過ぎていると、なかなか前に進めない。組織に属していれば、様々なことに対して「見つめて」しまいがちだが、「放っておく」ような気になれば、些細なことで済んでしまう場合も多い。自己の殻と社会の接点で、どのように思考するかということを、まさに読書という教養が支えてくれる。

「われわれがじかに接している外界、物理的世界が現実であるが、知的活動によって、頭の中にもう一つの現実世界をつくり上げている。」と『思考の整理学』にある。これは「第二次的現実」と呼ぶ「観念上の世界」であるが、「知的活動によって現実感をおびるようになる。」という。まさに小欄に記している文章自体が、「第二次的現実」なのであるが、それは「第一次現実以上にリアルなのかもしれない」という考えに共感できる。

知的活動とは、「三多」に集約される。それは「多く読書をする」「多く文章を作る」「多く工夫と推敲をする」ということだそうだ。ということになれば、小欄を毎朝更新していることが、その小さな実践ということになる。そして、自己の専門とする領域のみを「見つめない」幅広い読書が、新たな「二次的現実」を醸成してくれるはずだ。

かくして立花隆氏・佐藤優氏著『ぼくらの頭脳の鍛え方 必読の教養書400冊』(文春新書)を読み始める。自己が蛸壺の中だけで、「見つめ」ないために。


アメリカの話題を二つ。寒さのせいで母犬が配管の中で出産した子犬たちが、無事に配管を掘り返して救助されたTV映像。その愛くるしさに思わず見入る。アメリカの動物愛護の優しい気持ちには、いつも感心する。また、バージニア州の「フェアファクス郡」というところには、「都市災害救助隊」なる精鋭部隊が存在すると、朝日新聞夕刊「窓」欄に教えられた。ハイチ地震の半日後には現地入りし救援活動に従事しているという。そこで得られた経験は、結局はその郡で災害が起きたときに有効に活用されるということだ。題に「情けは人のためならず」とあったが、まさにその通り。こうした動きを「郡」単位で行っているアメリカの地方自治の現実を知らされた。地震大国日本は、果たして今のままでいいのだろうか?他国への救援の姿勢は、自国で災害時の縮図ではないのか。

夕食の準備で、いつのまにか煮えたおでんをつつきながら、様々な「二次的現実」に思いを馳せる。おでんの「餃子巻き」は崩れていたが、これはこれで全体に味が染み渡ったようだ。「第一次」と「第二次」の違いも、些細なところに顔を覗かせる。

冬には「読書」がよく似合う。
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