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電話の声の“モード”

2013-02-19
商家に育った僕にとって、電話が鳴るとなるべく早く取ろうと身体が反応する。
そして受話のことばは、「○△でございます。」と敬語モードとなる。
もっとも最近は、電話で要件を応答する機会もめっきり減った。
現在の仕事上では、明らかにメール等の伝達手段の方が要領を得るからである。
ただ、その“電話の声”というものに対して敏感であるのは今も変わらない。

かなり久し振りに電話で会話できた人物がいた。その声は昔と何ら変わらない。そして僕との関係性も、昔のまま保存されているような気になって来る。それでも、その人物と久しく会わない間に、相互に様々な変化があった。それゆえに最初はついつい“敬語モード”になった。それが一番、“安全”なことば遣いであるからだろう。

今回、その人物に電話をする契機となった方の“ススメ”で、次第に年功序列な会話となった。そのモードで会話をすることで、昔の自己を思い出したりもした。電話を終えてから、その人物と会わない間に、僕自身が仕事上では“敬語モード”を使用することが多くなったことに気付いた。それでも商売上の敬語とは違う、“緩やかな丁寧語”モードである。それが「授業」の発言としては一番適切で、品位があると今は感じているのである。

電話の声には、その人の生き様が見えて来る。巷間でそれを意識して聞くと、いきなり声の“モード”が変化する人々も多い。一瞬にして“対外的な仮面”を“声”の上で装うのである。相手が誰であるかわかると、再び“モード”変化をする。もっとも最近は、携帯で通話相手が受話の前に判明している場合も多いので、最初から“モード”を構えることができる。

声は人柄を表現する。
その人がどのように生きて来たかも。
電話の声は、間接でありながらの直接会話という断層に、
むしろ何事かを立ち上がらせているかもしれない。
まことに声のみの表現は難しい。
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