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「現代東京奇譚」考

2012-11-24
桑田佳祐が書いた「現代東京奇譚」(本年7月発売「I LOVE YOU-now&forever」所収)という曲がある。その冒頭の詞はこのように唱われている。

 「明日の行方も知らない
  羊達の群れ
  都会の闇に彷徨い
  身を守るだけ」


出張した地方から飛行機で約1時間と少々のフライト。羽田空港に降り立ちモノレールから電車を2路線と乗り継いで帰宅。その車内で思わず、前述の歌詞を思い出し脳裏で唱ってしまった。なぜこの「羊達の群れ」は、多くが眉間に皺を寄せ、携帯画面を真剣この上ない表情で見つめ、横に座った人が少々でも自らの身体に触れれば、迷惑千万な表情しかできないのだろうかと。まさに「彷徨い」ながら「身を守るだけ」の人々が、「明日の行方も知らない」中で日々を送っているように見えた。

地方の疲弊が訴えられて久しい。シャッター通りの増加・農業や漁業の後継者不足等々、過疎化が深刻な地域も多いという。しかし、地方には地方の利点もある。あくまで地方都市を訪問しての実感だが、人々が優しくて人懐っこい。飲食店を始めとする店員さんも、形式的ではなく真心で接してくれているように感じられた。例えば土産店のレジの女性は、僕が会計を終えてから買った土産の賞味期限を確認してくれて、やや早く期限が来るものをそうでない商品と交換してくれた。しかも、商品の種類も変更し合計額も変更されたにも関わらず、面倒くさい顔一つせずに対応してくれた。

実はその土産にしたお菓子は、僕の大学時代の先輩が、現在は社長となっている会社によって製造されている当該地方の銘菓である。今回は、僕自身が強行日程であったゆえ、その先輩とは敢えて連絡も取らなかったが、せめて土産を手に入れようとして立ち寄った駅の土産売場での出来事である。その女性店員さんに、菓子会社社長のことを話すと「よくお見えなのでお伝えしておきましょうか」と言ってくれた。僕はすかさず名刺を彼女に渡した。単なる駅の土産売場の店員が、人と人との繋がりをかくも大切にしてくれたことに、この上なく嬉しい心境になった。

「現代東京奇譚」は、2番の冒頭では次のように唱う。

 「人間(ひと)はあてなき旅路に
  疲れ果てたまま
  己(おのれ)の仕掛けた罠に
  堕ちてゆくのね」
  *【(  )内は筆者注。】

更にサビでは、

 「淋しくて淋しくて
  魂(こころ)に死化粧
  今は亡き面影が
  泣くなと呼び掛ける」


中心部一極集中が生み出した、まさに「奇譚」の中に
僕たちは暮らしているのかもしれない。
各地方に生きる人々の優しき魂(こころ)
日本再生の原点がそこにあるように見えた。

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