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オバマ勝利演説の声

2012-11-08
超大国アメリカ合衆国を二分すると言われた激しい大統領選挙の末、現職オバマ大統領が再選を果たした。毎度、オバマ氏が節目で語る演説の声を聞くと、心の芯まで響くものが感じられる。その英語による表現の何ともいえない浸透力、少なくともTV画面の下に表示される日本語訳を補助的に目にしながらも、次第に感涙してしまうほどの訴える力がある。

この日の勝利演説もまた同じ。「激しい選挙を闘ったが、それはこの国を深く愛し、将来を強く思えばこそである。試練を乗り越えて重大な決断をしようとする時、必ず論争は起きる。それは我々が自由だというしるしでもある。」といった趣旨の下りにまず心を掴まれた。そしてまた、「私はこれまで以上に未来への希望を抱いている。みなさんも、希望を持ち続けて欲しい。個人の野心や政治的主張の違いで分裂することなく、誇りあるこの国に住む仲間として共に歩みを続けよう。」といった趣旨を述べて、選挙戦の結果のみならず一国のリーダーとして国民の結束を求める強い訴えが述べられた。
(*演説趣旨には筆者の主観と翻訳上の拙さがあることをお断りしておく)

演説が秀逸なのは内容のみにあらず、その目線・表情・声の力・適切な間・身振り手振り等の様々な言語外表現の総合的な所産である。その総合力が、まさにカリスマ的とも思えるほどの求心力を持っている。「オバマ氏になっても何も変わらなかった」という反オバマの意見が今回の選挙戦で繰り返されたのも、こうした演説の崇高さが、現実と乖離しがちであるからではないかと思うほどである。経済事情を始めとする難題の多い時代に、先の時代の負の遺産を清算し、軌道修正に追われた4年間だったと言うこともできるだろう。

アメリカ合衆国は、更なる4年間をオバマ氏に託した。この強力な政治的リーダーの存在は、日本国民として羨ましい限りである。なぜ日本にこうしたリーダーが誕生しないのか。演説で自らの主張を訴え、論戦を否定せず意見を徹底討論する土壌が存在するか否かという点が、大きく作用しているように思う。意見を主張し討論するということが、生育環境である教育現場で日常的に行われているか否か。政治のあり方は、その国の教育現場の特色を、そのまま表出しているように思えてならない。

演説の声に匹敵するアメリカ合衆国を、
今後4年間のオバマ政権に期待したい。
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