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簡単便利に潜む危険性

2012-11-06
万里の長城を歩く“トレッキングツアー”で、大雪により3名の観光客が遭難した。例年にない大雪という異例の事態が生み出した悲劇とはいえ、自然の山中を歩くことに対して、万全の準備を促しあらゆる可能性を考えていたのか、ツアー催行のあり方も問われるであろう。また、金沢でホテルの清掃員が、エレベーターに挟まれて命を落とした。扉が開いた状態で、箱が上下動を開始するという誤作動が原因であるようだ。これらの報道を耳にしたとき、前者は北海道大雪山でのツアー遭難。後者は都内における高校生のエレベーター事故が、自ずと脳裏に浮かんだ。

偶然と呼べるのか否か、前者は大雪山遭難と同じツアー会社の旅行企画。後者も、まったく同じエレベーター会社の機体であったという。大雪山遭難の際も、参加者の十分とは言えない装備・備品が問題になったと記憶する。エレベーターに関しても、事故はほぼ同じ状況が原因となっている。それぞれの悲劇から何年かの月日が経つが、果たして企業は、その犠牲から何を学んだのであろうか。

知人に百戦錬磨の登山家がいるが、彼は「いつもどんな状況でも自然への畏敬を忘れるべきではない」という趣旨のことを口にする。「登山」という語彙が、安易に「トレッキング」と名をすり替えられると、実に楽に走破できそうな気になる。また、我々が日常に使用しているエレベーターも、危険性が皆無であるわけではない。上昇下降するという元来無理な物理的負荷を、機械が制御している。また状況如何によっては、恐怖の密室になる可能性がある。

簡単便利なものが社会に氾濫しているが、その一つ一つを注視する意識を失ってはならないだろう。また、企業は万全の安全対策に全力を注ぐべきではないか。利潤を追求しなければ企業として成り立たないのは自明の理。だがしかし、人命に関わる事態が生じたことを真摯に受け止めなければ、更に名を穢すことにもなりかねない。やはり、「過ちを改めざる、是を過ちといふ。」という『論語』のことばが響いて来る。犠牲になった方々のご冥福を心よりお祈りするとともに、今後、このような悲劇が起こらない社会的意識が喚起されることを望む。
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