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自分が真に求めたいことは?

2010-01-10

9日(土)新年になり早1週間が過ぎた。この間、小欄に於いて「世界の中の日本文化」といった方向で思考したことを、筆に任せて書いてきたつもりである。そうしたテーマの中で、やはり思考的な理論と現実を繋ぐ接点となるのは、自分を取り巻く「社会」である。であるからには「社会」というものの構成要素は何であり、どのように構成されているのかを考えることが求められるはずだ。この日は、「自分が真に求めたいことは?」と改めて考えた1日であった。

 朝から最初の仕事は、「奈良時代の文学」を語る講義。今年が「平城京遷都1300年」ということもあり、現代社会の中で「歴史」を再認識するという重要なテーマありと自覚する。受講した学生に将来の志望を聞いてみると、「日本文学で『源氏物語』を学びたい」というもの、あるいは「映像文化を学びたい」というものなど、それぞれに「文学・文化」への問題意識がある。その中で「なぜ平安時代に『源氏』が生まれてきたのか?」とか「日本の映像文化は他国(特にアメリカ映画)と比べると何がどんな風に違うのか?」といった疑問を投げかけ、その原点に「奈良時代」の文学が存在したと意識できる仕掛けで2時間の講義を進めた。特に「映像文化」を考えたときに、邦画が世界的に評価されてきた現状を考えると、その「特長」はどこにあるのかは誰しもが気になる話題である。もちろん、短い講義の中で、学生とのやりとりから簡単に結論が出るわけではないが、総じて「和らいだ雰囲気が漂うのが邦画の良さだ」という意見が出た。確かに、とりわけハリウッド映画などと比べれば、「和らぐ」という印象が強く世界に訴えているのは確かだろう。やはり「和」とは何か?という「文化論」へと問題意識が接続したことになる。

 午後は、早々に職場を後にして学会の例会へ。自分の研究分野とはやや離れた内容の発表であったが、時代を跨いでその接続点を探る。「文化」の継承をどの点からどのように探り出すかという研究には様々な方法があると思われるが、他の方々の研究を聞くことで、「自分が真に求めたいことは何か?」を改めて模索する思考にさせられる。

 研究発表の後は、新年懇親会。挨拶をされたある先生から、新たな出版物に対しての話があり、「いかに一般の方が理解できる書き方をするかが大切」という点を強調されていた。「社会」との、「読み手」との接点をどうするか?学会が学会の中だけで完結するような時代は過去のものとなり、出版を始め様々なツールで広く訴えかけなければ生き残れない時代になっていると認識。大学の学部でも「文学・歴史」が不人気という状況は、この10年ぐらいで一層顕著になり、どこか「社会・人間」と繋がるということが求められている現状でもある。そんなことを見据えながら、懇親会会場をあとに帰路についた。


 帰宅して母から電話。どうしても人間ドッグに行く気にならないという。また改めて話をすることになった。そして知人の息子が来週カナダへ発つ話題に。それに乗じて、夏にアメリカ・カナダへ行ってみようかという話になった。両親は、これまであまり海外旅行に目が向いていなかったが、知人とその息子の存在、そして何より小生の妻が米国留学しているという身近さが、海外に行こうという気にさせているようだ。何とかうまい日程で実現すればいいと思い、その後は航空路や観光地などをWebで調査。酒も飲んでいるし、ジムのサウナに行くのは不謹慎だとも思い、自宅で旅行計画に思いを馳せた。

 「世界」との繋がり、自分が真に何をしたいのか?を様々に思考の中で探検した1日。
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