尻込みする日本人?いま一度大志を抱け!
2010-01-07
6日(水)松の内というのに甘えて、なかなか標準の生活時間に戻れないでいる。それでも毎日それなりの仕事をしている日々。まあ何事も鈍ってしまうと回復の方に多くの時間を要するのが常だ。新聞に「米国で学ぶ留学生の出身国」というグラフあり。これまでの10年間を見ると日本人が極端に減り、インド・中国・韓国の順に急増しているのが一目でわかる。90年代にはその4カ国の中で日本がトップの留学生数であったのだが、20代人口の減少も相俟って、下降の一途を辿るようだ。米国の大学院に留学中のwifeも渡米して直後から、日本人の少なさと他のアジア人の多さに驚いていた。したがってアジア系の友人は韓国・台湾・中国が多いようだ。果たしてこの情勢は、今後の日本にとって何をもたらすのだろうか?ITの進化に伴い学問の体系自体が大きく変化する時代。内容的に厳しい米国の大学で学ぶことは、決して少なくないはずだ。どうもこうしたことの原因に、若者が「まあまあ」「そこそこ」を望み、高い希望へ向かって歩もうとしない精神性になってきてしまっている、社会的現象が影響しているように思えてならない。
例えば日本での受験においても、いざ最難関の大学を受験しようとすると、直前になって、あるいは受験期になって心が折れてしまい、受験を尻込みしてしまう高校生も多いように見受けられる。いざ大きな挑戦をしようとすると、それまで目指してきた目標であるにもかかわらず、自分には「高嶺の花」だと簡単に諦めてしまう。そうした場面で「将来の夢を捨てるのか」といった励ましは、まったく通用しない。「夢」というもの自体が「夢」と化している傾向が否めない。もちろん全ての高校生にあてはまるわけではないが、高い志望への野心が失われているのは確かだろう。それは単に自分の過去と引き比べて、表面的にそう見えるだけなのだろうか。
かたやスポーツ界では、世界に進出し堂々と世界レベルで勝負する選手も増えている。メディアが盛んに取り上げるという影響も大きいだろうが、WBCでの2連覇という成果に表れているように、メジャーを意識する多くの野球選手や、W杯でベスト4を目指そうと目標を掲げて邁進するサッカー日本代表など、世界標準に向かう野心は小さくないと見受けられる。
ある分野に於いては、世界を見つめる視線は保たれている。しかし一般的に、特に学問の上で、その野心が劣っているのだとしたら、やはり日本の教育内容に、問題があるのではないかと思ってしまう。単純に「英語力」を取り上げても、やはり韓国・中国に劣っているのは否めない。「小学校からの英語教育」に対する賛否を論じているばかりでなく、何か根本的なところで、日本人の第二言語教育を考えねばならないような気もするのだ。内田樹氏も「日本語の特性」が「日本人の辺境性」に影響を及ぼしているのではという仮説を述べている。
まとまらない意見になりそうなので、この話題はここまで。また順次考えていくことにしよう。
この日は、父の誕生日。夜は父母と3人でいつもの寿司屋へ。あまりにも寒いので「大漁鍋」という魚介類豊富な鍋を注文。そのだし汁が美味いと父もご満悦。毎年のことだがプレゼントは人間ドッグの予約とその費用。今年はぜひ医者嫌いな母とカップルで人間ドッグに行って欲しいと願い、2人分をプレゼント。どうやらその方が費用も割引になるようだ。両親には、健康であるということをせめて1年に1度点検して欲しいのだ。息子としても何よりその確認ができることに安心を覚える。父母の年代だと「医者は悪いところを見つけに行く」という感覚が強いようだが、今の医療ではそれは間違いだ。「医者には健康であることを確認に行く」という感覚が正しいと思う。
かくして「日本人よ!いま一度大志を抱け!」という思いと、親孝行ができた満足感を以て夜に。就寝前に渡部泰明氏『和歌とは何か』(岩波新書)を読み始める。
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