お彼岸の風景
2012-09-23
暑さ寒さも彼岸まで。東京地方は一昨日の雷雨から各段に涼しくなった、
と感じた。
そして秋分の日を迎え、
両親と共に先祖の墓参へ谷中を歩く。
生まれた家の近辺を歩いてみると、
いくつもの過去が記憶の中から顔を出す。
鉛筆・消しゴム等を買いに行った文房具屋さん、
その近くの駄菓子屋さん
今や店はなく、ただ記憶の中にだけ、
店のおばさんの顔がふと浮かんでくる。
寺へ向かう坂道を登る。
東京に二十八箇所あるという「富士見坂」の一つ。
遥か離れた新宿あたりにマンションが建ち
富士山が拝めなくなることへの反対運動が巻き起こった。
街の景観を死守しようとする人々の気持ちが生きている。
都市の無情
江戸情緒は今や過去の遺物。
父が、通った小学校について語り始める。
今はマンションになっている敷地の片隅から
野球で打撃をすると左翼後方の墓地まで打ち込んだと。
木造平屋であったという教室棟、現在は自転車置き場だ。
小学校の思い出は都市の住宅事情に追い越される。
墓参。
自分がこの世に存在する一理由。
「先祖」という血脈の中の自己。
今でも賑やかな商店街へ。
幼少で記憶もない頃、
父の車が急ブレーキを掛け
助手席から前へと転がり落ちたという。
記憶のない自分史の現場に立つ。
お彼岸の風景。
夜になれば虫の音。
両親と共に栄養補給もよろしく
夏の疲れを癒す一日。
- 関連記事
-
- 「サザエさん」と「カツオ」の関係ではないが (2013/02/25)
- おお!萬葉集研究会 (2013/02/13)
- 研究室の思い出 (2013/02/06)
- 母校の変様 (2013/01/26)
- 野球雑誌の中で見た世界 (2013/01/08)
- 記憶の奥底にある公園 (2012/12/22)
- 森光子さんを悼む (2012/11/20)
- お彼岸の風景 (2012/09/23)
- 「ゴリラ風船」はいずこへ (2012/08/27)
- あの夏の甲子園 (2012/08/23)
- 僕にとっての加藤茶 (2012/08/22)
- 『エリア51』から今感じること (2012/06/25)
- お彼岸の上野・谷中界隈 (2012/03/21)
- 記憶に残る日はいつですか? (2012/03/15)
- あの入試日の記憶 (2012/02/14)
スポンサーサイト
tag :