やはり「辺境人」であったか
2010-01-05
4日(月)暦において、この日が月曜日なので、まさに三ヶ日のみが休日で仕事が始まる人々も多い。小生もそれに違わずと早起きして仕事と思いきや、どうも正月の朝寝の癖が付き早朝から仕事をする従来の生活習慣に戻れない。
そうこうしているうちに午後からの出社となった。今日あたりは顧客への個別対応も少ないだろうと思いきや、連続して対応を余儀なくされ、文章の如何を検討しなくてはならないものも数点。書類の作成なども相俟って、ほとんど自分の仕事の時間はなかった。しかし、顧客と他の社員との対応を見ていると落ち着かない気分になる。それは、自らの確固たる志望も持たず、自分の立場をわきまえず、現実逃避した質問が目立つからだ。社員は社員で確固たる態度を取るべきであり、そうすることで顧客が自己の客観視を強めるはずだからだ。こうした人間関係を改善するところから、社会構造を見直していかないと、将来大きな付けが回ってくるような気がする。
帰宅途中にユニクロに寄って、裾上げの完了したジーンズを受け取る。対応してくれた若い女性店員は、一つ一つ丁寧に裾上げの状態をこちらに提示し、問題はないかを確認する。その上で、商品に貼り付けられた用紙には、裾直しを担当した方の名前が記されている。最後に、商品を入れた紙袋の口を止めるテープは、端が折り込まれていて、こちらが剥がしやすいように配慮されている。たぶんこの一連の対応は、この女性店員だけではないはずで、社員の対応マニュアルになっているのだろうが、それにしてもファーストフード的な嫌みがないのはなぜだろう?たぶん、作られた笑顔ではなく、目の前の客に人間として接している気持ちが手厚いからだと感じる。ユニクロ一人勝ちの秘密は、何も商品だけではないと悟る。そしてついつい帰りには、ハイネックTシャツが590円の表示に心が動き2枚を購入。自分の中でも新春バーゲンはユニクロの一人勝ちとなった。心の内で、「共存共栄 探るべき時 安売り競争 自分の首を絞めている」というこの日の朝刊にあった、浜矩子氏の論考を気に掛けながら。まあ西武冬市で購入したスーツによって、バランスを取った経済効果に貢献しているとは思いつつ。
おせち料理の重箱も食べ尽くしたので、夕食はいつもの中華料理店へ。みんな中華に飢える頃なのか満員であった。調子に乗って少し食べ過ぎたが。
昼間は余裕がなかったので夜は『日本辺境論』を読む。そうした中で新たに次の記述が気になった。
「日本人が国際社会で侮られているというのがほんとうだとしたら(政治家やメディアはそう言います)、その理由は軍事力に乏しいことでも、金がないことでも、英語ができないことでもありません。そうではなくて、自分がどうしてこのようなものになり、これからどうしたいのかを「自分の言葉」で言うことができないからです。国民ひとりひとりが、国家について国民について、持ち重りのする、厚みや奥行きのある「自分の意見」を持っていないからです。」
こうした日本人を「虎の威を借る狐の意見」と内田氏は言っている。確かに、昨日の小欄には内田氏の意見を羅列した形式となり、自ら「虎の威を借る」を体現してしまった。
「私たちは他に規範を求めなければ、おのれの立つべき位置を決めることができない。自分が何を欲望しているかを、他者の欲望を模倣することでしか知ることができない。」
やはり自分自身も「辺境人」だったのかと思いつつも、こうした立場を考えていること自体に意味があると自覚。と考えて、本日も内田氏の文章を引用してしまった。本来、十分な咀嚼を経たのちの表現が求められるのだろう。
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