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大小の身体表現

2012-08-28
落語で所作は重要な表現要素といえるだろう。九州は水俣の施設を慰問し、同行した落語家さんが、最初に「所作だけで何をしているか当ててみましょう」といった問いを投げ掛けた。蕎麦を食べる・鰻を捕まえる・釣りをする等などの所作について、施設の方々が笑いながら答えていたのが印象的だった。そしてまた、それを演じている落語家さんの表情は、音を立てて食べ・手が滑り・獲物が掛かったかのようなリアル感がある。僕自身もあの表情というものを学べないものかと、新たな欲求が高まっている。

スポーツジムで時折、ダンスの要素を中心にしたエクササイズに参加することがある。音楽に合わせて身体全体を使用した表現。動くことで何が表現できるか。果てまた、担当トレーナーさんも、「狭い鉄格子の隙間から抜け出すように」とか「大空に向かって皆さんの花火を打ち上げましょう」といったことばで、身体表現のイメージを具体化してくれる。これによりただトレーナーさんの動きに対して真似をする以上に、個々の参加者の個性が引き出されてくる。想像力が身体表現を磨いていくわけである。

何らかの世界を再現するには、必ず為手と受手双方の想像力が必要になるだろう。だがしかし、やはり絶対的に音声と身体を使用して、どれだけリアル感をもって為手が作品世界を表現できるか。表現者が想像できる限界まで作品世界に没入し、“その世界の人”になれるかどうかは大変重要な表現要素であるように思う。その為にも、様々な作品世界を知ることはもとより、多様な体験を表現者自らがしているかどうかも重要であるといえる。蕎麦は音を立てて食べる。鰻を素手で掴む。釣り糸を垂れて待つ。などの経験があるかないか。そしてまた、ジャングルジムのような鉄格子を潜り抜けたことがあるか。花火を至近距離で見たことがあるか。等々の体験的要素が、身体表現をリアルにしていくはずである。

大小の身体表現。
これと音声表現との関連。
実に複雑かつ精緻な関係性が求められそうだ。

いずれにしても多様な表現世界を体験することで、
自身の新たな境地が発見できるのは確かである。

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