おい、もう一度、顔をみせてくれ
2012-08-24
戦没した無名の詩人・竹内浩三。その詩を朗読し深い感銘をうけた。
「わかれ」という詩を今日は読者とともに読みたい。
「みんなして酒をのんだ
新宿は、雨であった
雨にきづかないふりして
ぼくたちはのみあるいた
やがて、飲むのもお終いになった
街角にくるたび
なかまがへっていった
ぼくたちはすぐにいくさに行くので
いまわかれたら
今度あうのはいつのことか
雨の中へ、一人ずつ消えてゆくなかま
おい、もう一度、顔をみせてくれ
雨の中でわらっていた
そして、みえなくなった」
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