北鎌倉の思い出
2023-09-29
小学校の遠足
「建長・円覚🎶古寺の〜」
雨の翌日で天園ハイキングコースの下り坂で転び
物事を運ぶときは冷静で慎重だと自負するのだが、人の内面は多重的であると思うこともある。東京では、小学校5年生の折に「社会科」で歴史を学ぶこともあり「鎌倉遠足」が行われるのが通例である。事前に「鎌倉幕府」のことを学び、音楽の時間には「鎌倉の歌(正式なタイトルではないと思うが)」も唄った。いよいよ遠足当日になり、地元の駅から東京駅で横須賀線に乗り換え北鎌倉駅で降りた。その時、なんともいえない歴史の素晴らしさを感じ取り、社会科がさらに好きになった。教科書に出ている「円覚寺舎利殿」を観てさらに感激し、僕はこういうことが学びたいんだと初めて思った経験だった。さらに建長寺まで歩いたので「鎌倉学園」の前を通ったわけだが、其処が桑田佳祐さんの母校だなんて当時は微塵も思っていなかった。もちろんサザンが鮮烈にデビューするのはその数年後なのだが、ある意味で僕の趣向に大きな縁と契機をもたらしたのは、あの北鎌倉の思い出だったのかもしれない。
遠足ではさらに建長寺の裏山に登り、やや険しい山道の「天園ハイキングコース」を歩いた。前日に雨が降っていて、先生方が思う以上に道はぬかるんでいた。僕は地図が大好きなせいもあってか、一番高いあたりからの鎌倉の歴史を想像させる景色は壮観であった。山道は次第に急な下りとなり、歴史を想像する楽しさを友だちと語り調子に乗ったのだろう。慎重な僕としたことが、足を滑らせて尻餅をつき衣服が泥だらけになってしまった。坂道を下り切るとアスファルとの公道に出たが、クラスの女の子などに泥だらけの衣服を見られのが恥かしく、傍に停車していた汚物処理の車の前で「臭いな〜」と照れ隠しで大声で言ってしまった。すると乗車していたおじさんが「臭いならあっち行け!クソ坊主」と大声で怒鳴り返された。ふと我に帰った僕は、とんでもない罵声を大声で言ってしまったと大変な自己嫌悪に陥った経験だった。もちろん帰りの横須賀線内も泥のついた衣服で乗車、そんな恥ずかしい経験が僕をさらに緻密に慎重にしたのかもしれない。
あの北鎌倉の思い出から何年が経ったのだろう
鎌倉学園出身の桑田さんこその「愛の言霊」「盆ギリ恋歌」
大きく自分を揺さぶった経験の中の鎌倉
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