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教師だけが知っておく厚みー言葉の「リズムが良い」とは?

2023-05-30
授業に臨む際の教師の「メモリ(作業台の大きさ)」
小学生にそのことは直接教えないが知っておきたいこと
背景と奥行きを知っていてこそ「楽しい授業」を演出できるものだ

今週はゼミ4年生が公立(応用)実習の2週目となり、それぞれ研究授業の視察に訪問する。今年度の4年生は6名いるので、一週5日間となるとどこかで2校を訪問するハードな日程となる。それでもゼミ生たちが実習校と入念に調整してくれ、また仲間同士が連携して僕の訪問に支障のないように予定を組んでくれた。まずは「実習校との交渉力」という面においても、応用実習としての学びを経験させることは重要だと思っている。教員の仕事は決して「教科指導力」のみにあらず、組織としての学校内でいかに支え合い学び合いを念頭に振る舞うかが肝要である。僕自身が初任校に赴任した頃から、学校での人間関係を重視していた経験は現在のゼミ生の指導にも大いに役立っている。昨今、教員に就職しても休職や離職に追い込まれる人の数が多いと聞く。あまりにも厳しい時こそ、学校の「チーム」に助けられ上手く心を癒したり休めたりする適切で人間的な環境に身を置けるならと願う。そんな人間としての繋がりを、ゼミ生には大切にしてもらいたい。

さて初日月曜日は、大学から概ね1時間は要する小学校を訪問した。ゼミ生の研究授業は4年生の「俳句」教材。自ら音読をすることができそのリズムの良さを体感し、好きな一句を理由とともに述べられるようになることを目標とするものだ。肝心なのは「俳句のリズム」を「調子が良い」ものとして学習者がいかに音読しそれを経験できるかである。授業を参観していて思ったことは、学習者は「リズムが良い」ということを身体で感じ取ればよいが、指導者は「なぜリズムが良いか」という奥行きに自覚的であると、より学習者に体感させやすい授業にすることができることだ。中高専任教員を20年以上勤めてきた僕自身の実感だが、教材研究を「100」としたら授業で使用するのはせいぜい「3割から4割」である。あとの「7割6割」は授業方法の礎石として作用させることが望まれる。反転して述べれば教材研究の厚みと奥行きがないと、学習者が納得する授業をすることはできない。「音読で体感し楽しむ」授業であればあるほど、その「秘密」を指導者だけが知っておく必要があるのである。

なぜ俳句は日本語として「リズムが良い」のか?
教科書には「いろはうた」の音読補助教材もあり
教員養成課程で僕自身が何を教えておくべきか?を深く学んだ機会になった。


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