テーマ詠「旅」ー宮大短歌会23年度5月歌会(2)
2023-05-24
「人生は旅」と読める歌が多く学生の等身大の歌は少なかった
現代において「旅」とはなんだろうか?
宮大短歌会今月2回目の歌会を開催、出詠8首、参加者5名であった。テーマ詠「旅」コロナからも解放されつつある今、学生たちはどんな旅を詠うのか大変に興味深かった。概ねこの100年ほどの歴史において、「旅」がこんなにも制限されてしまった3年間を僕たちは体験した。「旅=移動」が感染を拡大させるゆえに、罪悪視もされ各人の行動範囲が自ずと制約された。2020年3月頃から最初の1年間は、僕も東京へ行くことも憚られた。教職員も学生たちも、県外に出る場合は大学に申請して許可が必要だった。学生時代には自らの持っている感覚を打ち破るような「旅」が必要だと思われるが、現在の4年生などは今までなかなかそれも儘ならなかった。こんな意味で、今現在の学生の「旅」への感覚を短歌にすることは貴重な機会だと思えた。
詠歌の素材は、「地図」「ガタゴト」「凧」「星の瞬き」「この星」「・・・ロード」「缶コーヒー」「雪山」であった。概して実際の「旅」というより「人生は旅」という前提を読みたくなる歌が多かった。Web機器や情報が格段に進化したこの15年ほどで、「旅」の手段・方法から楽しみ方も変わって来ているのだろうか?そんな現状において偶有性のある旅、牧水の「あくがれ」に近い感覚の歌が見られたのは頼もしくも感じた。また宇宙観をもった壮大な旅を希求するような歌もあり、人間にとってこの地球に生きることそのものが「旅」なのではないか。大空の星を意識すれば自ずと「亡き人々」への想いも募り、大切な人たちが楽しく旅を続け僕らを守ってくれているような感覚にもなる。せめてこの地球上では、「旅」が制約されることなく自由に思いのままにあらゆるところに旅ができる「平和」を求め続けなければならないだろう。
景色や季節描写の歌や
交通機関の歌は少なかった
さあ!学生よ!自らの常識を超える「あくがれ」の旅をしよう!
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