「おもひ」をつなぐための休日
2023-05-14
「思・意・憶・想・忖・懐・顧・恋・惟・念」「おもう」と読める漢字(若松英輔『読み終わらない本』P32より)
そして生きるために「重い」もあるだろう
小欄は日々の「おもひ」をそこはかとなく記す。1日を生きて翌朝に心身に残っている「おもひ」がある。昨日はあらためて、色々な人たちの「おもひ」に触れることができた。昨年2月、「牧水と恋」というリーディング劇に出演させていただき、その際の共演した役者さん2名のリーディング劇『猫と針』(作・恩田陸)を観に行った。戯曲作品として原作の選択もよろしく、作中に出てくるある視点に観客がそのまま同化する仕掛けをすこぶる楽しめた。久しぶりにお会いできた声優さんにもご挨拶ができた。音読・朗読を卒論にしているゼミ生も観劇に来てくれて、世代をつなぐ機会にもなった。終演後は、移住者のオーナーとカナダ人シェフのカフェへ。「国語」の学び方の国際比較などを話題に、双方の「おもひ」を寄せ集める会話が楽しかった。
雨をもろともせず、夕刻からは友人の高校教員が主催する「ポエトリーリーディング」の会へ久しぶりに参加した。小欄にも掲載した先月の親友への「おもひ」の「コトバ」を声にした。この「コトバ」は親友夫・妻に届いただろうか?冒頭に記した「おもう」と読める漢字、どの「おもひ」を僕の声は表現したのだろう。参加者の中には「亡き者」への「おもひ」を声にする人も多かった。朗読は単に声にするだけのパフォーマンスではない、「コトバ」にして「おもひ」を確かめ自らが「いま」どのようであるかを知り、「いきるもいまはなきひと」の存在を確かめる意味がある。その後、夕食は街中の馴染みの餃子店へ。2月にある方とご主人と3人で飲んだ際の話から、WBCを経過して現在まで、やはり双方の「おもひ」を回顧できた。最後に、短歌会の学生や卒業生がお世話になっているお店へ。再び学生の短歌企画がお店でできればと、お願いの「おもひ」を込めて楽しい時間となった。学生たちが街中のお店とつながる「おもひ」、1日を通してありがたき人々の笑顔に触れることができた。
分野は多様ながらいずれも「コトバ」から
生きている「おもひ」をつなぐためにも
あまりにも机上でばかり考えている己を見つめつつ。
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