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テーマ詠「揚げ物」ー宮崎大学短歌会23年5月歌会(1)

2023-05-10
「揚げ物」は「カリカリ&ジューシー」
家庭の味なのか市販かはてまたファーストフードか
昭和感のある料理の変遷として・・・

宮崎大学短歌会5月歌会の1回目、今月より隔週第2・第4火曜日の開催となる。出詠9首、出席10名、新歓活動の甲斐もあって新入生4名の参加があった。テーマ詠「揚げ物」として、個々の趣向が活かされる歌が並んだ。題材としては、「口内炎」「イカゲソ」「晩酌」「カリカリ」「芋天」「番茶」「ケンタッキー」「カキフライ」「ジューシー」であった。「揚げ物」そのものを対象に詠うのか、それとも家庭で揚げる母などに焦点を当てるのか。個々人の郷愁的な経験とともに、この料理の現在地を学生たちの生活から見るようで興味深い対話が展開した。

僕など昭和の家庭に育った者は、やはり母の揚げるエビフライなどこそ「揚げ物」だと思っている。現在の学生たちにも同様の経験があることに少し安心するのだが、同時に市販の惣菜やファーストフードを詠うものもあり、社会が大きく変化したことを思わせる。なぜかコンビニの揚げ物は詠われなかったが、油を使い火傷などの危険性もある揚げ物は社会の中で分業化されたということだろう。とはいえ、ぼくらの時代も「肉屋さんのコロッケ」は子どもらに人気があった。現在でも東京は谷中銀座などの店先では、50円程度でコロッケを販売している店が健在のはずだ。

「洋食」として明治の「ハイカラ」人気に発する「揚げ物」
約150年の料理文化はこれからどうなっていくのだろう?
新入生の豊かな読みの感性に嬉しさを覚えつつ楽しい時間が持てた。


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