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人生は螺旋状に #舞いあがれ

2023-04-01
一度決めた道を貫くだけが人生か?
遠回りや障壁にも向き合いながら夢と希望を失わないこと
大空へ舞いあがる夢を周囲の人とともに求め続けた物語

朝の連続テレビ小説「舞いあがれ」最終回を観ていて、涙が止まらなくなった。少女時代には身体が弱かった主人公・舞ちゃんが、五島列島で自然の中で逞しく生きる祖母から力をもらい、大学時代に人力飛行機サークルでの出逢いを契機に、パイロットになる夢を叶えるため苦渋の努力をしたがリーマンショックで就職が延期になり、自家営業のネジ工場が傾き父が急逝するのを乗り越え「空飛ぶ車」の開発に成功する夢を叶える物語であった。さらには舞ちゃんが結婚する貴司くんは、短歌を作り苦悩しながら歌人としての我が道を歩み続けている。短歌があってこそ人生は開けるということが巧みに描かれるとともに、家族や周囲の人々を積極的に肯定して個々が幸せを掴むにはどうしたらよいかを僕らに教えてくれた。東大阪で町工場に従事する人々や隣家で貴司くんの実家のお好み焼き店、五島列島で暮らす人々、家族や人と人との助け合いとは?舞ちゃんの人生は決して真っ直ぐではなかったかもしれないが、螺旋状に諸々の要素が編まれその縦糸横糸が夢を追い続ける限りはどこかで繋がることを教えてくれた物語であった。

「学校」では通学時の「寄り道」を禁じるかのように、「真っ直ぐな道」を歩むことをよしとされる。もちろん思いを決めた夢を貫くことが、貴いことは疑いはない。だが複雑で精密な構造の社会になったこともあるだろう、様々な分野の繋がりに寄り道し旋回することで可能性が拡がるのも確かである。僕自身を振り返っても、中高時代は運動部に熱中、大学時代は日本文学と書道、初任校に就職すると中高の運動部の空気が再び恋しくなり全国レベルの応援や部活動顧問へ傾倒して勤める日々。同期の研究者からすると10年遅れて大学院の門を叩き、勤務校を転任しながら博士後期課程まで進み学位取得。先行きの見えない非常勤講師生活2年間を経て、大学専任教員になって10年が過ぎた。果たして一貫して「文学」をやってきたらどうであっただろうか?と考えなくもないが、自らの運動経験も全国大会出場の高校生らを教えられたことはその年齢でしかできない貴重な経験であった。2校にわたり多くの人々と出逢えたことで教えられることも多かった。肝心なのは、心の奥底にある「夢」を常に輝かせて歩むことなのだろう。

どんな「逆風」にも負けない生き方
出逢った人の温情をさらに大きく膨らませて
螺旋状に生きてこそ心を踊らせ視野を拡げて歩むことができる


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