チェコ代表に学ぶものーWBCを通じて友好と平和を
2023-03-12
チェコ代表も宮崎合宿をし宮崎大学と練習試合「日本全体で試合をしている」(ダルビッシュ有投手のTwitter)
さらに友好と平和のための野球であるために・・・
WBCはさながら「侍ジャパン」という言い方で、日本中を席巻しているように見える。だがこの日のチェコ代表との試合は、宮崎県では地上波デジタル放送での放映はなかった。僕はあるWeb放映をする業社の会員になっているのでかろうじて観られたが、Twitterで帰宮している歌人の吉川宏志さんとやり取りすると「(吉川さんご自身のお父さまような)高齢者には難しいです」と返信をいただいた。ごもっともと思いつつ、宮崎で合宿をしたチェコ代表の試合が地元で観られないのは寂しい。Web放映で紹介によると、チェコ代表のある選手が宮崎のスポーツ店でスパイクを買ったというエピソードがあるそうだ。野球が盛んでない欧州においては、今もなお野球用品の取得が難しいことを考えさせられる。チェコ代表は宮崎大学とも練習試合をして、友好を深める機会もあった。残念ながら僕自身は「みなかみ町」へ出発する日に当たり、試合は観戦できなかったが、野球は決して「(MLB)メジャー」や「侍ジャパン」のみではないことを知る意味で貴重な機会であったはずだ。
チェコ代表の選手たちは所謂「プロ野球」ではなく、各々が仕事を持っているのだと云う。監督は、医師であるとも聞いた。つまり日本で言えば「社会人野球」なのであるが、昨日の試合の序盤の優位に進める展開は見事であった。さながら優秀な選手を強引に掻き集めた私立高校が、選手自らが工夫を凝らして野球をしている公立高校と対戦しているようであった。かつて野球強豪校であった初任校赴任時に幾度となく眼にしたことがあるが、球速の遅い公立高校の対戦相手投手の球を打ちあぐねる傲慢な上から目線の高校生の姿と「侍ジャパン」の選手が重なった。野球用品の取得のみならず、データ解析などにおいても巨額の費用を投じている「侍」とは桁違いの次元で試合に臨んでいるはずだ。それだけに序盤の健闘のみならず、死球を膝内側に受けて激痛の中を立ち上がり投手の佐々木朗希を睨むことなく一塁まで歩き、走れるかを試すためにダッシュまでした選手の野球への敬虔な姿勢などは讃えるべきものがある。何よりチェコ代表チーム全員が、友好的に試合に臨んでいる証拠である。サッカー・ラグビーのW杯同様に自国代表の勝利ばかりに「日本中が熱狂している」と云うメディアの喧伝には、ある意味の危うさがある。「野球」そのものが社会的に「負の価値」を意味づけされて生き延びた歴史を、僕らは謙虚に受け止めるべきだ。誤解のないように言っておくが、僕自身が「日本代表」を応援していない訳はない。大会に参加するすべての国と友好な関係が結べることを祈りつつ、大好きな野球は平和のためにあることを願っているのだ。
ポーランドと隣国であるというチェコ共和国
こうした機会に相手国への敬意を忘れないことだ
毎試合の序盤にもたつく日本代表に勝利は当たり前という傲慢はないのかと思いつつ。
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