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速度を上げるのは球と足だけでいいーWBC強化試合雑感

2023-03-04
大谷翔平も代表チームに合流
それにしてもピンチで野手が誰一人投手に声をかけず
促進ルール(タイブレーク)の練習なども

野球は、「間(ま)」のスポーツだと思う。投手と打者の相互の微妙な「間」に、本塁打や三振の伏線が複雑に張り巡らされている。その「間」において、観る者は様々な予想をして次に起こる現実を何百倍にも膨らませて楽しむことができる。よく比較されるサッカーなどは、基本的にゴールの時以外は「止まらない」ゆえに、むしろ予想に反する「意外性」を楽しむスポーツであるようにも思う。だが野球の場合、予想が的中すれば自らの先見性を誇り、予想に反した結果になれば意外性も楽しめる。もとより競技の本質が大きく違うので、サッカーのようにほぼ試合時間が規定内に収まるものと野球を同質に考えるべきではないと思っている。だが最近は世の中が何でも高速化したせいか、野球にも試合時間短縮の波が急速に押し寄せている。「申告敬遠」などもその一つだが、「四球」なのに現実には一球も投球しないという変な空気の中で打者は一塁へと歩く。かつては「敬遠四球」をしょうとした投球を打ち返した、長嶋茂雄や新庄剛志がいたことを忘れるべきではない。

昨晩は「日本代表対中日ドラゴンズ」の強化試合をWeb放映で観た。本戦へ向けて不安材料の際たるものと思ったのは、ピンチでのチーム対応である。投手・戸郷が走者を出してピンチを招いても、誰もマウンドに声を掛けに行く野手がいない。その「悪い流れ」を引き摺りながら投げ続けた戸郷は、結局その場面で2失点を喫した。解説をしていた川崎宗典さん&西岡剛さんのWBC経験者コンビも、この状況には首を傾げる発言をしていた。西岡さんは「マウンドに集まることそのものがWBCの大会でも制約があって、それを意識して声をかけないのでしょうか?」と疑問を呈しつつ、「審判に注意されても声をかけに行くべきです。その注意されることで、投手も他に頭を向けることができ孤独感から解放されますから。」という趣旨の解説をしていた。誠に納得、集まらないまでも内野手のリーダーが少し投手に近づいて「間」を取るべきだろう。「間」のスポーツは言い方を変えれば「流れ」のスポーツでもある。日本代表はその後失点を重ね、中日ドラゴンズに敗戦となった。試合後にタイブレークの練習を形式通りに行って1点を取りサヨナラの場面を練習したが、これも実に緊張感がない雰囲気だった。MLBの球場で最大延長18回午前2時まで観戦したことがある身として、促進ルールも誠に野球をつまらなくする所業に過ぎない。今季はMLBでも、投手の投球間隔に秒の制約がかかると云う。試合展開を急いでも本質的に野球を楽しむ者にとっては、むしろ魅力を奪うルールになりやしないか?と心配ばかりが先立つのだ。

さて日本代表は課題を修正して行けるのだろうか?
中日ドラゴンズのルーキー・田中選手のように技術的にスピードのある選手はいい!
大谷翔平の合流した化学反応は未だ混濁としている


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