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イブイブ補講ー若い人の未来へのクリスマスと短歌

2022-12-24
若い世代の好きなクリスマスソング
この日本で未来へどんなクリスマスにしたいか?
音楽をかけながら「生きづらさを超える短歌」について

今年もいよいよクリスマスイブの「イブ」となった。本務校での年内講義は、前日に全て終わらせていた。この日は非常勤先の補講(創立記念日式典の分)を設定しており、午後に車で10分ほどのキャンパスへ向かった。既に10回ほどの講義日を経て、出勤印・印刷・教室の位置や機器の使い方にも十分に慣れた。1年生配当の「文学」では、自著である『日本の恋歌とクリスマスー短歌とJ-pop』(新典社2021)をテキストに、このクリスマスをめがけて時節に適した内容について学生たちと考えてきた。80年代クリスマスJ-popの数々の曲を紹介し、明治以降のクリスマス受容史を短歌で綴ってきた。これまで「当然」の「年中行事」だと思っていた「クリスマス」を「なぜ?日本にこのように定着してきたか?」を考えるだけでも、アカデミックな「文化論」に触れる機会として学生たちに貴重だと考えている。山下達郎「クリスマスイブ」とか桑田佳祐「白い恋人達」は、現代の学生たちにも広く知られ、クリスマスJ-popの王道なのだとあらためて僕自身が確認できる機会でもあった。

さて補講では、冒頭に1987年「メリークリスマスショー」での出演者全員による「Kissi’n Christmas(クリスマスだからじゃない)」を映像で視聴してもらった。若き日の明石家さんま・松任谷由実・小泉今日子・Char・吉川晃司・原由子らが出演していて、最近も音楽のみならず俳優(吉川の朝ドラ出演)などの方面でも活躍しているこれらのミュージシャンの姿は、学生たちにとってどのように映るのだろう?そんな触発から、むしろ学生世代はどんなクリスマスソングを楽しんでいるのか?と「好きな曲」を提供してもらった。昨今はYouTubeを活用すると様々な「学び」さえできると言われているが、学生のリクエストを配信で投影していく方式は新たな可能性を感じた。「ナヨン・Santa tell me」「Twice・メリーハッピー」「Boa・メリクリ」「稲垣潤一・クリスマスキャロルの頃には」「Back number・クリスマスソング(現在の朝ドラの主題歌を歌うミュージシャン)」など、学生たちの挙げる曲は韓国のミュージシャンを含め国境なき東アジアの世界観が感じられた。その後は「世界では今どんなクリスマスを迎える人々がいるのか?」という投げかけに思いを馳せるようにして、クリスマスこそ「平和」を希求するべきことをみんなで再確認した。そして「平和」とは一人ひとりの心が健全であることで、苦しい時こそ「短歌」で「心の丈」を「ことば」にしてみることで救われることを伝えた。「生きづらさを超えていく短歌」若き心を支えていくのは短歌、この「文学」の講義で伝えることは「知識」のみにあらず、「生きる」ことにこそ「短歌」は活かされる実学であるのだ。「日本の未来のためのクリスマス」を学生たちに想像させ、さらに「今年のクリスマスには何を祈るか?」を考えてもらった。最後にわずかなクリスマスプレゼントにチョコを提供し、来年1月の講義での再会へ笑顔で学生たちは教室から去っていった。大学1年という人生の1ページに、「生きる今」を考えるクリスマスを過ごしてほしい。

YouTubeカラオケで熱唱の学生さんも
文学は短歌は音楽は人をつなぐ
桑田佳祐さんの素晴らしい音楽とともに人生に「短歌」を添えよう。


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