行けばわかるさー若き挑戦に拍手
2022-12-01
大学チャレンジプログラム採択文理融合型プロジェクションマッピングと文学教材
実際の小学校の授業で活用するということ
いよいよ、プロジェクトの授業実践日を迎えた。附属学校園との間で協働で行っている「研究」については、主に現場の授業実践について検討することが多い。僕が赴任した頃は、小学校・中学校の各先生が授業実践をし、大学教員は研究理論上の問題を指摘するだけであった。しかし僕が赴任して数年後から、「大学教員も授業実践をすべき」と提案しまずは中学校で実践させてもらったのをよく覚えている。「教育法」を大学で講ずる教員が、自ら小学校や中学校の現場で授業ができないのは如何なものか?と思ったからだ。だいたいにして、僕自身は中高教員経験が長いわけで、「授業がしたい」という思いが先行した。どの学校種であっても「授業」をすることに至上の悦びがある。教員免許の不要な大学教員こそ、小中高の現場で自らの研究開発した理論を検証すべきである。爾来、毎年のように大学教員も誰かが附属小中で実践をすることが慣例になった。
何事もまずは「やってみる」こと、机上の空論を振り翳し躊躇していては何事も始まらない。前述した流れを作った時がそうだが、まずは新たな動きをすることである。今回は共同研究の授業で、学生らがチームティーチングを実践する。また工学部院生の連携融合により現在大きな課題となっている「ICT機器」を活用すべく、「プロジェクションマッピング」を制作してもらった。これは様々な立体的な映像をプロジェクターで投影しリアルに再現するものである。教材は宮澤賢治『注文の多い料理店』、その舞台となる世界観をどれほど学習者に体験してもらうかが肝要である。二人の紳士が森の中で次第に迷子になる場面、「山猫軒」という料理店を発見する場面、そしてドアを開いていくごとに、「山猫」の術中に嵌まっていく紳士たち。ドアごとに「注文」が様々な色の文字で書かれており、紳士たちの解釈と「山猫」の意図が交錯していく。こんな作品を大学生が朗読劇で紹介する、対象は6年生で授業では5年生の際に既習な教材である。「国語」の文学教材は特に、既習であっても随時発達段階に応じて「再読」をすべきと僕は考えている。「授業」で学んだ際には見えなかった点が、方法や接し方を変えると鮮明に浮かび上がると考えているからだ。授業は修正に修正をくり返し、この日はそれなりに納得がいくものができた。
挑戦なくして新しい未来は見えて来ない
学生たちは様々な困難を乗り越えてここまで漕ぎ着けた
「迷わず行けよ!行けばわかるさ!」若き挑戦に無条件に拍手を送りたい。
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