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結果で黙らせる快感ーIchiroさんSeattleの誇り

2022-08-29
Seattle Mariners Hall of Fame
白髪が増えて貫禄のある表情からのスピーチ
感謝ありユーモアありそして哲学あり

「22年前にシアトルの一員になった。」英語で語られたイチローさんのゆったりで穏やかなスピーチをMLB映像(日本語字幕なし)のWeb配信で全て聴いた。そうかもう「22年前」、入団会見でユニフォームに袖を通した彼は、その場でサッと一回転してそれが似合うことをアピールしつつ喜びを表現した。今ではもう日本のメディアも触れなくなったことだが、当時は日本の多くの野球評論家が難癖をつけて「日本のような活躍は到底無理だ」と断言していたのを僕は今でも忘れない。今考えれば、当時の野球評論家の頭の中が「メジャーには勝てるわけがない」と抑圧されていたわけで、イチローさんの視野の先には世界レベルのアスリートがあったのだと思う。この日の日本語会見でイチローさんは、「結果で黙らせる快感を知った」と口にした。シアトルマリナーズの球団殿堂入りという栄誉にあたり、ボールパークで行われた式典での英語スピーチでは、地元シアトルのファンへの感謝・お世話になった人々への感謝をユーモア交えて語ったのとは、ややトーンが違う気もした。22年前に根拠もない予想で難癖をつけた日本球界へのリベンジ、彼の中にはそんな貫かれた人生哲学が垣間見えた。

ちょうど10年前になるだろうか、イチローさんが長年在籍したシアトルからニューヨークへ移籍した年。僕はその年のスプリングトレーニングで、アリゾナを訪れた。僕の人生で、イチローさん最接近の経験である。其処には地元シアトルのファンがたくさん来ており、ある老女姉妹が僕に気軽に声をかけて来た。「フェイク(偽もの)イチロー」と彼女らは51番のレプリカユニフォームに短髪でサングラスを掛けた僕を、「イチローのそっくりさん」と勘違いしたらしい。何と本人が駐車場から車で出てくる際に僕を前面に押し出し、「ここに君がいるぞ!」というような手合いのことを笑顔で訴えていた。まさにジョークを本気でぶつけるアメリカ人気質を体感し、楽しい気分になった。キャンプという意味では、2009年WBC日本代表キャンプは宮崎で行われた。その時には高校教員だった僕は年休を取得し初日から3日間、宮崎キャンプのネット裏に陣取った。練習でもファンを沸かせるイチローさんの姿勢、その年の大会決勝で勝負を決める中前打を打ったイチローさんへの第一歩が宮崎にあった。その4年後から、キャンプが行われた当該球場のすぐそばにこうして住んでいるなんて夢にも思わなかった。今も変わらず続いているのは、イチローさんへのこれ以上ない敬意であることを、この日のスピーチで確かめられた。

またシアトルにも行きたくなった!
そして来年はWBC日本代表宮崎キャンプが決まっている。
「結果で黙らせる」プロの誇りがこれだ!


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