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やはりライブ感ー牧水短歌甲子園3年ぶりの会場開催

2022-08-21
第12回牧水短歌甲子園(宮崎県日向市で開催)
YouTube配信もあり
だがしかし発言に会場が呼応するライブ感がいい

この2年間、机上審査や審査員のオンライン座談会を組み合わせた方式で開催されてきた牧水短歌甲子園。今年は3年ぶりに、従来からのライブ形式での開催となった。ただし「YouTube配信」は残されており、どこからでも大会の様子を観ることはできる。 午前中は所用があったが、妻がスマホで大会の様子を受信しその様子が気になり出していた。他に用事のある場合、このように自宅でも大会の様子が知られるのはいい。今回の予選を通過した12チーム、北海道1・宮城1・東京1・山梨1・大阪1・福岡2・熊本1・宮崎4という県ごとの分布である。昨日の札幌の気温が26度と紹介もあり、宮崎県日向市とは10度もちがうと云う。遥か10度の気温差を超えて、実際に高校生が牧水の故郷である日向に来てくれている意味は大きい。

3年ぶりに会場で大会を観戦して思うのは、やはり観客との呼応である。高校生の実直な主張に頷く声とか、また審査員の笹公人さんのユニークな喩えに思わず笑い声が上がるとか、観客が短歌の表現に酔っているような雰囲気が微笑ましい。短歌を俎上に載せた対戦はオンラインでも可能であったが、壇上で「向き合って」意見を交わすという身体的なやり取りの大切さを看て取ることができた。審査員も壇上に御三方が並ぶことで、それぞれの批評の個性がより如実に現れる。リアルな声、呼応する声、我々はやはりオンラインでは受け取れないものを一堂に会することで再び取り戻すことができたような感覚となった。そしてあらためてこの大会は、審査員の3名のコメントが個性的かつ的確であることが確認できた。「一首に動詞は3つまで」俵万智さんがこの大会を通して助言してきたことだが、回を重ねるごとに高校生の作歌にそれが浸透していることも指摘された。まさに学び合いの場、高校生たちのこの上ない「豊かな言語生活」の舞台である。

本日は午前9時より13時まで準決勝・決勝
「若ければわれらは哀し泣きぬれてけふもうたふよ恋ひ恋ふる歌」
(牧水・大会パンフ表紙に掲載)


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