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本を持った手つなぎ鬼ー素材開発から発案する単元学習

2022-08-20
「素材にしたら学びが深まる本」
2分のブックトークの後、受講者間で「手つなぎ鬼」
つながった仲間と作る単元学習案

学校図書館司書教諭講習2日目。事前に「(学習)素材にしたら学びが深まる本」を選定し、持参いただくよう課題を出しておいた。最初に「単元学習」のあり方について確認、「言語生活(学びに向かう力・人間性等)」を起点に「言語活動(思考力・判断力・表現力)」を構成し、この「巻物」の円周に包まれるような核心に「言語(知識・技能)」があるという図式である。「言語」の定義は、「音声・文字・語彙・文法」の四要素。従来からこの要素が基本に据えられることから、その習得ばかりが「学習」だという勘違いが未だに横行している。例えば、高等学校「古典」学習では、「歴史的仮名遣い」とか「古文単語・文法」ばかりが学習機会に反復され、素材である文章を学習者が当事者意識を持って「意味生成」することはない。これは僕らの頃からの悪弊であるが、学部学生に聞くと今もこの勘違いした授業構成が行われてしまっているようだ。「教育は保守的なものだ」と学部時代に「教育学」の先生の弁を思い出すが、明らかな悪習であるにも関わらず、そこから容易に改革がままならない怖さを実感する。

「学校図書館司書教諭」がいかに校内で「学習指導」を多様にコーディネートできるか?そのような演習を行う意図もあり、受講者が持参した推薦本についての「ブックトーク」を1人2分。昼休みを挟み、午後の一番でそのトーク内容から受講者同士が「手つなぎ鬼」のようにつながっていく。前述した「単元構成」をもとに当事者意識を持った「言語生活」から発想し、教科を超えた多様な学びを発案していく演習活動に入り、最終時間でその発表という流れ。担当者が懸念することもなく、受講者は自ら「えらぶ」ことで8つのグループを構成した。どのような学びの機会でも「学習者がえらぶ」ことが、個別最適化の中で肝要である。発表においては「総合的な学習」と受け取れるものが多く、「平和」や「教室の住みやすさ」などを深く考え合う内容の単元構成が提起された。受講者が発案の対話をする際に学んだことだが、「特別支援」の視点を包摂することで学びは大きく柔軟に寛容性を増す。「教室はまちがうところだ」といった絵本は、明らかに「みんなちがって みんないい」を考えさせられる。「平和」は世界で作るとともに、「あなたのいるいまここ」で作り出すものなのだ。受講者への声かけとして、本当に学校でやりたくなる単元構成を発案してくださいと言った。何事も机上の空論を展開することが、学習を実効性のないものに貶めてきた。この日の豊かな「単元」の中から、実行できるものをオンラインなどを駆使して県内で実行してみたいと意欲が湧いた講習であった。

「教科書」とか「教室」を超えた単元学習
明日の宮崎を世界を考える学習構成
僕自身がまた現場の先生方とのつながりを強く持つ機会になっている。


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