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あなたは何がしたいのか?ー自己存在に問いかける

2022-05-21
3年ぶりの対面学会春季大会
仕事を終えて上京するこの感覚
故郷は遠きにありてーあなたは何がしたいのか?と問いかける

3年ぶりの感覚。昼前後に雨が降り始めた宮崎、午前中から学生の相談と提出書面の確認などやや立て込んだ日程をこなす金曜日。今「立て込んだ」と書いたが、通常であれば学生たちとの対応は、大変に重要なものと急かされることもない。だがこの午前中のうちに午後の講義の準備はもとより、月曜日の講義準備を含めて諸々と先取りしてこなす必要があった。土日と研究学会春季大会が、誠に久しぶりに対面開催される。諸々の準備を含めて、この金曜日夕刻から上京する予定を組んでいた。空港の保安検査場に駆け込むように行くと、既に20分前の制限に引っかかり搭乗用の黄色の保安検査済みカードが発行されない。検査官が搭乗口と電話でやりとりして確認し、ようやく検査場を通過。それでもまだ自らが指定された搭乗順の「グループ2」の時間にはなっておらずトイレなどを済ませる。この時間の切迫感、この2年間忘れていた感覚だ。例によって航空機の中では1冊の本に向き合う時間、柳澤桂子『リズムの生物学』(講談社学出文庫2022)を読む。「人間の繰り返しを求める本能」「文化とリズム」などをDNAや天体の運行などから明らかにしようとする著作だ。高校の理科では唯一「生物」だけは得意であったが、生命科学の内容にはやや異質性を覚える。果たして自分が向き合っている研究とは何がしたいのだろう?という意識が次第に立ち上がった。

定刻より早く羽田空港に着陸。このスピード感ある移動の感覚も、いつしか忘れていた「速さ」なのだ。この2年、いつしかニュースでばかり観るようになっていた故郷・東京、モノレールも山手線も至って「普通」である。駅に降り立ち繁華街を歩くと「飲食店」でも至って「普通」の光景が見られていささか驚いた。密な空間で盛り上がって談笑しながら飲食を楽しんでいる人ばかり。今も宮崎ではやや感染を警戒した雰囲気が漂うが、その感覚が見事に覆された。世界的な視野で見れば「日本は慎重」だとされるようだが、その「日本」の中でも地方はなお「慎重」ということになるのだろう。世界的視野で「先を行く」というのは、こういうことではないかと思うところだ。だがその放蕩なところこそが、故郷・東京のダイナミックなところであり嫌いなところでもある。このような読書や東京の光景を観る刺激から、次第に「あなたは何がしたいのだろう?」という疑問がさらに湧いてくる。宵のうちは仲間と語り合い、そしてまた新たなものに出逢う時間。いつもその空間では「あなたは何を?」を思考する「自分鏡」のような感覚になる。苦労に苦労を重ねて宮崎でのポストを獲得するまで、様々に「あなたは何がしたいのか?」を自分に問い掛けた場所として貴重な故郷の帰るべきところである。

あなたの現在地はどこですか?
宮崎で出逢ったものの意義はなんですか?
With Coronaはいつしか次の時代を迎えているような不思議な感覚に陥った。


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