宮崎大学短歌会5月歌会ー題詠「金」
2022-05-11
「ゴールデンウィーク」になぞらえて題詠「金」「itanoma」という名の土足厳禁な図書館の一室にて
新入会員のコメントの逞しさ
月2回を基本に開催している宮崎大学短歌会の5月歌会(その1)を実施。前回から多くの新人が参加することになって、附属図書館の用意していた一室では「密」な環境であったゆえ、今回は収容定員が50名の「Itanoma」という部屋で実施してみた。名の如く「板の間」で土足禁止、座布団に座卓があって、窓際には二段の雛壇のようなエリアがある。もちろんプロジェクター投影も可能で場所を自由にアレンジして使用することができる。雨模様のキャンパスであったが眺めもよい3階に位置し、換気も十分にしながら余裕のスペースで歌会を実施することができる。出詠19首、参加15名(うちオンライン参加1名・ハイブリッドでzoom設定)1首ごとの批評の時間は図書館の閉館時間もあって限られるが、それでもやはり新入会員を含めた対面歌会は充実したものとなる。この2年間はほぼぼぼ「オンライン歌会」であったが、どうも個々が内に籠るような雰囲気になるか、内輪話のような流れになるかという印象を持っていた。人が生身で集まるということの尊さをあらためて実感している。
新入会員の歌があると、やはり多様で新鮮な詠草となる。「金柑」「金粉」「金輪際」「金属バット」「金色」「金弾む」「金曜日」「金木犀」「金剛力士像」「黄金」「金色」「金縛り」「金環食」「金継ぎ」「金星」「金色」「金曜」「お金」「金曜」といった題詠の文字の使用の状況であった。「光り輝くもの」というイメージでで使用されることも多いが、その背景として「暗闇」という意識が潜在しているような点を多くの歌に読むことができたのも特徴であろうか。どこか「天体」や「暦」の意識も込められているようで、我々は無意識に「金」をどこかで意識しているのだろう。特に「金曜日」の特別感は、「金曜ロードショー」などのTV放映映画番組にも象徴され、週末をどう過ごすかという意識に連なる。また「きんいろ」と読むか、「こんじき」と読むかで、イメージは大きく変わる。特に「こん」と読んだ際は「力強さ」が滲み出て、短歌の中でも肝な表現となり得ることができるようだ。それにしても賑やかな歌会は楽しい、他大学の学生さんも遅れながら参加してくれて、誠に和やかで楽しい新年度の歌会である。
「お金」ではない価値あるものを探すこと
「時は金なり」の折句の歌も登場
新たな拡がりを見せている宮大短歌会にご注目を!
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