人生を丁寧に味わう・時間を丁寧に生きる
2022-02-17
「思いっぱなしで過ぎてしまうようなところを、『あ、もしかして歌になるかも』と思って立ち止まる。」
(ほぼ日手帳2022/2/16 俵万智さんの言葉から)
10年以上使用している『ほぼ日手帳』は、1日分が見開き片側1ページでその下欄にその日の言葉が記してある。こうして小欄を記す朝のスタートで読むこともあれば、会議中にふと眼が向かうこともある。昨日のページには、冒頭に記した俵万智さんの言葉があった。歌会その他でご本人によくお会いすることで知ったが、俵さんも『ほぼ日』を使用している。他の誰かが所持しているよりも、俵さんの各ページには何が書き込まれているのだろうか実に興味深いが、永遠に見ることなどできないだろう。ただ昨年開催された俵万智展では、お若い頃の葉書まで展示されていたから、いずれは文豪のメモのように展示される日が来るのかもしれないなどと妄想をしなくもない。僕自身がそうだが仕事上の予定やメモから短歌の素材メモまで、実に多様な自分の人生や生きる時間が毎日のページに記されている。その自分の時間が文庫本サイズの手帳であるため、10冊以上本棚のガラス蓋のある中に並んでいるのだ。この手帳を毎年使おうと思うのは、まさに人生を丁寧に味わい、時間を丁寧に生きるためとも言える。
時にあまり書き込まない「日々」が増えると、「ほらほら丁寧に生きてないぞ!」と言われているような気になる。頭で思うのみならず、手元で文字にしてみる。特別なことでなくてもよい、日々の他愛もないことを書き込むのがよい。中学校の頃のこと、僕はノートを取るのが大好きで特に社会の時間のノートは丁寧に書き尽くしていた。ある時、ノート提出があってその後に先生が授業で僕のノートを大絶賛してクラス全員の前で褒められたことがある。それは丁寧に書くことはもちろんだが、余計なことまでメモにしていたことも大きかったように思い出す。ただ黒板に書かれたことを書き写すのではなく、先生の話で黒板の文字にならないことを書くのが実に役に立つ。メモしようとする気持ちが、自ずとその内容を思考することに繋がるからだ。高校の際はむしろ日本史の先生の板書を度外視して、自分でサブノートを作成し受験前はそれが参考書替わりにになっていたと記憶する。今日の学びはいつ何時にあるかわからない、「今」を丁寧に生きるために手帳があり短歌がある。
人生の時間に短歌あり
「今日」を丁寧に生きる
毎日が「記念日」というのは『ほぼ日』がきっと俵万智さんの歌から学んだ思想なのだろう。
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