オンライン会議の功罪
2021-03-31
場所を超えて手軽に開催しかし参加は対面会議より疲れるような
終了後の宴ももちろんなし
大学関係で1件、研究学会関係で1件、1日に2件のオンライン会議に参加した。ひとえに「オンライン会議」といっても、自室でひとりきりで出席する場合と、PCを持参し何名か共同な部屋に参集して出席する場合など、スタイルが多様になってきたように思う。自室であれば据え付けてあるデスクトップPCによってオンラインを起動するが、移動が伴うとノートPC及びタブレットの所持などが必要になる。同時双方向会議システム(zoomなど)を起動するのと同時に、会議資料を閲覧できるようサブの機材があった方が便利だからである。
九州地区全域であれ全国区の場合でも、各地にいる参加者が手軽に会議ができるのは、時間的経済的にありがたいことでもある。正直なところこの1年間、県外出張はなく研究費の多くはオンライン機材などに投じたことになる。オンラインをいま「手軽に」とは記したが、それなりの資材が必要なのは確かだ。またなぜか対面会議よりも「疲労度が大きい」と感じるのは僕だけであろうか。PC画面を見つめる時間が長いせいか、眼精疲労は甚だ大きい。また気の知れた先輩後輩がいる研究学会の会議などでは、もちろん終了後の慰労の宴もない。画面に映る面々の顔ぶれを見て、「きっと(対面会議なら)この人は飲みに行くだろう」などと思わせぶりながら、会議が終了すると現実のままという悲哀が、疲労を増す原因だと思うのは失敬なことであろうか。
会議の質さえも変えたであろうオンライン
今後も有効に活用される度合が拡がるだろう
久しぶりに会える顔がありてこそ、やはり対面会議を望む心はやまないのであるが。
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新しい図書館を創った人々
2021-03-30
図書館事務の方々へ感謝永年勤続でご退職の方も
専門職が支えているということ
年度末となって退職や異動の時節となった。例年であれば送別会などが行われる弥生3月であるが、新型コロナ感染対応で宴を持つことはできない。比較的、公の場で退職や転任のご挨拶が為されるのは、何とも名残惜しく思うのは僕だけであろうか。「惜別」に「惜春」のことばがあるように、足早に駆け抜ける春というのは誠に惜しまれるものである。それまでに築いてきた仕事の円滑な流れがある場合はなおさら、まだまだ同じ環境で働きたいものだという気持ちが強い。僕らのような仕事の場合、多くが事務方に支えられていることを、あらためて深く感謝する日々である。
事務方にも個々の分野のスペシャリストの方々がいる。大学内でも様々な分野があるのだが、図書館という大学の心臓部において長年にわたり貢献いただいた方の退職は特に惜しまれた。僕が副館長となってから図書館改修工事もあり、全国の大学の多くの図書館を視察したり、改修案を模索したり、新しい部屋の名称を考案したりと思い出は尽きない。こうした動きにいつも地道に丁寧に穏やかに取り組んでいただいた方々の誠意が、現在の新しい附属図書館を形作っている。特にどこに名前が刻まれる訳ではないが、至る所にその事務方メンバーの方々の志があることを僕は知っている。
人生は新陳代謝が必要である
変わりゆくことで新鮮味が保たれる
退職・異動の方々の豊かな前途を祈りつつ、さらなるよき図書館を目指す。
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短歌も餃子も日本一を目指す
2021-03-29
「短歌」日本一の県を目指し「餃子売上」日本一の市を目指す
ともに大好きなひとりとして
休日ということもあって、妻とともに手作り餃子を皮に包んだ。いざ焼いてみると粉か油が足りなかったのか、フライパンにくっついてよく焼けなかった。それでも自分たちで作ったことそのものが楽しく、餡はなかなか美味しく食べることができた。市販の餃子を購入してくると、それなりに上手く焼くことができる。売られるパックが粉まみれであったり、皮に秘密があったり、餃子一つにも奥が深い。市内県内には、贔屓にする餃子店が何軒かある。コロナ禍で外食を控える中、なかなか足を運べないでいる。中には往年のプロ野球選手と、いいご縁をいただいたお店もあるのだが。
県ではなく「宮崎市」が、宇都宮市・浜松市をライバルに餃子購入額日本一を目指している。知人がそれを支援する協会で頑張っているので、一度イベントにも足を運んだ。昨年の前期に限っては「購入額日本一」となったが、通年ではライバルに及ばなかった。そんな意味では日常からなるべく餃子を購入して貢献したいという気持ちが強い。この場合は、やはり手作りより購入した方が貢献できるのだろう。次回からは贔屓店での購入を選択すべきかと思った。しかし、何事も「日本一」を目指そうという心意気は爽快なものだ。「短歌県」ともども、宮崎の志を支援したいと思う。
昔から大好きな餃子
簡単に食べられ栄養価も高い
短歌と餃子のコラボ企画もやってみたい!
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誰もが同じ不安の中に
2021-03-28
新型コロナが顕在化して1年以上誰しもが同じ不安の中に身を置いている
それぞれの意識、それぞれの不安
昨年ほどの危機感には曝されていないが、不安が拭い去られたわけではない。ちょうど1年前の今頃、新年度の大学授業の運び方などについて立場上、混沌とした議論を続けていたのが思い出される。「一寸先は闇」状況のめまぐるしい変化と、様々な情報により困惑し続けた日々だったことが思い出される。マスクにも消毒液にも慣れてしまい、友人らと楽しい会食もできないことの方が普通になってしまった。人間とは常に恒常性がある生き物ゆえだが、この「慣れ」でいいのかと思うことがある。感染者状況の波は、たぶん昨年のこの時期と同じように、再び次のわからない山が来ないわけではない。ここのところの地方都市での感染者増加は、明日は我が身と思わねばならないだろう。
世界の人々がたぶん等質に、この災禍の影響を受けている。だが国によって文化が違うように、そこに向かう意識はそれぞれ違うはずだ。日本国内でも様々な生業を持つ人々が、それぞれに苦しい日々を送っている。もちろんコロナ禍によって、収入などの条件が大きく上がった人々もいないわけではないだろう。どんな職種でどんな生き方をしているか?それがそのまま当人の「不安」になってしまうという意味では、あまりに不公平な苦難が地球上に現れたといえるかもしれない。それだけに生きる上で、何を信頼しているか?が試されている。過日に観たTV報道番組では、ドイツで飲食店を経営している夫婦が「ドイツ政府を信頼しているので不安はない」と答えていた。ある意味で世界共通の災禍ゆえに、言い訳はできない。たぶん100年後も終わらない「コロナ社会」、何を信頼して生きるのか?を慎重に考えたいものである。
どんな意識で何を信頼して生きるのか?
「仕方ない」と言わないために
言い訳はせず前向きな生き方を見つけたい。
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過ちて改めざる是を過ちといふ
2021-03-27
「過ちて改めざる是を過ちといふ」(『論語』「衛霊公」より)
過ちはすぐに改めてこそ・・・
節目の年度末は、人生の様々な歩みを考えさせることが多い。卒業して旅立つ学生らとの4年間、過ちも失敗も紆余曲折もないわけではないが、その過程を経て大きく翔び立とうとする若い姿を見るのはこちらも大きな力を貰うことが多い。個々の学生にとって何が「正しく」何が「過ち」かは、誰もその時点では判らない。自己の中にあるものを掘り返し、同時に自らが知らない世界と多く触れ合う。田畑が耕されるように自らの存在を撹拌しないと、なかなか納得した道に進めるものではない。その「耕す・撹拌する」のは容易ではない。時に苦言や厳しい指摘をしなければ、若き「土壌」は耕されないことがある。親身に若き芽を育てるならば、妥協なき対話が必要な所以である。
かくいう僕自身も、振り返れば多くの「過ち」をしてきた。現在の道に迷いなく一直線に至ったわけではない。だがしかし、その都度の「過ち」を真摯に受け止め、時に苦しい淵に身を没しながら「改めて」来たからこそ今があるように思う。冒頭に引用した訓読文は、『論語』にあり教科書にもよく採録される一節である。「(誰しも)過ちを犯す(ことは仕方なくある)ものだが、それを改めないことこそを(真の)過ちだというのだよ。」という孔子の教えである。冬から春までの間、草木を寒さや雨が厳しく打つことで初めて新芽を出し花を咲かせるものだ。愛情ある自然は、草木にも鳥や虫たちにも厳しく過酷な過程を用意している。さて、人間はどうだろうか?親子でも師弟でも、厳しく「過ち」を改めるための言葉を投げ掛けているか?子や弟子の未来のためにも。
「過ちて改めさせしむ是を愛情といふ」
ぬるま湯の中では新芽も花も育たない
今を「過ち」と思わないために・・・
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生まれ変わった8年間
2021-03-26
宮崎に移住して8年目日々を小欄に綴る意義
新しい明日が始まるために!
昨日3月25日は諸々の思い出深い日付である。母校では必ずこの日付に、学位記授与式が挙行される。この日も先輩のご子息が母校を卒業したようで、感染対策を取りつつながらキャンパスの光景を写真で目にすることができた。学部卒業も思い出深いが、博士の学位記授与を受けたのが11年前、やはりこの日は先輩教授の研究室から和歌分野の若き研究者3名が「博士」の学位を受けたと聞いた。いつもこの日を区切りとして、新しい旅が始まる。学部卒で研究生・高校非常勤に踏み出した時、修士を修了し研究の「真似事」ができるようになり1年後に勤務校を移った時、博士学位取得後は本格的に大学教員の公募に無我夢中に挑戦し始めた。いずれも鮮明な記憶があるが、知人の方曰く「経験は書かないと記憶から消えていきます。」ということ。「今」を記し続けることには、「自分でもわからない」変わりゆく「自己」を記すことになる。
8年前の3月25日、東京羽田空港は爽やかな晴天であった。直前の22日、非常勤先の中高で修了式が挙行され壇上で挨拶、離任することを惜しむ生徒らから声が掛かり、その後講師室前にほぼ担当クラス全員が押しかけてくれた。23日、馴染みの洋食店で「いってらっしゃい」の心を込めたステーキをご馳走になり、24日はやはり馴染みのバーの常連仲間が温かい心で僕のはなむけの会を実施してくれた。この2軒のお店には宮崎移住後も東京へ赴くたびに必ず顔を出すようにしてきたが、この1年のコロナ禍でそれもできなくなった。365日として2920日、閏年が2回あるゆえ2922日、僕にとってこの上ない人生の邂逅が宮崎に待っていた。8年前の志は変わらないが、僕自身は大きく変わった。宮崎での日々は毎朝が「新しい明日」であったからだ。今日もまた新しい「2923日目」の朝陽が昇った。
人間の細胞は日々、新陳代謝を繰り返す
8年の蓄積で何ができたのか?
論文に記し短歌に刻み妻と歩む日々が愛しい。
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宮崎県感染者なし22日連続
2021-03-25
やればできる「感染者0」首都圏では山梨県が独自の対策で
しかし未だ感染は身近だと感じることも
宮崎県の新規感染者「0」が22日間続いている。今月2日に2人が発表されて以後、感染のニュースを聞いていない。忘れられないのは1月7日の「105人」の感染発表、そのまま県独自の緊急事態宣言が1ヶ月間続いた結果、ようやくここまで漕ぎ着けた感である。全国の状況を見ると宮城県などが100人台の感染者が連日発表される様相、首都圏のみならず地方都市でも感染拡大の根が常にあることを考えさせられる。宮崎県もこれで気を緩めぬよう進まねばならないだろう。かと思えば首都圏でも山梨県は独自な対策を充実させ、「感染者0」を続けている。県や市単位の行政が徹底的に感染対策を指導し、「グリーンゾーン」なるお墨付きを飲食店に与え、むしろ飲食を勧めている状況だと報道で知った。
この冬はインフルエンザ流行のニュースを一度も目にしなかった。これだけ頻繁な手洗いとマスク着用が啓発されている状況なら、感染症は防げるものだということがわかる。また1年前のクルーズ船の反省から、「ゾーニング」こそが対策として重要だと知った。それ以来、自宅では宅配の箱(段ボールは特に不衛生)は玄関近くの廊下までしか持ち込まず、新聞が読める机と食事をする机を分けている。コート類も廊下など決められた場所まで、外歩きのトレーニングウェアと家で着るものは分けている。これは研究室も同様で、外来者は入口付近で対応、自分もマスク着用のゾーンとデスク周辺の僕しか使用できない「グリーンゾーン」とに分けているつもりである。変異ウイルスなどを含めた第4波が懸念されている中、果たして宮崎県はどこまでこの状況を維持できるだろうか。県民の一人として、さらなる徹底を貫きたい。
東京で友人が感染のニュースも
お見舞いメッセージの返信に悔しさが滲む
適性な人口密度において「心は密」で生きる。
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謝辞に短歌をー旅立ちの笑顔
2021-03-24
コース専攻ごとの学部卒業式ゼミ生の謝辞に込められた短歌
この大学から笑顔で旅立つ
昨年は急転直下に卒業式の実施方法が変更になったが、今年は事前より予告され大きな落胆もなく学部ごとの卒業式が挙行された。もとよりコロナ禍で仕方なくというより、学部コース専攻ごとに手作り感ある教室で挙行される卒業式は利点がないわけではない。黒板には美術専攻の学生らが描いた「黒板アート」、玄関や廊下に花が飾られ、間隔を空けて座るとはいえ学生らの個々の顔が見える。教員養成を旨とする「教育学部」であればこそ、こうした「教職員の温かい心」が見える卒業式で、学生らの旅立ちの餞けとするのは意義深いだろう。教師は明らかに、教え子個々の笑顔の旅立ちを祝いたい。この日こそ4年間の日々の教育のあり方が、問われる日であるからだ。大きく自力で空に羽ばたこうとする若者を見送るのは、いつでも教師の大きな喜びである。
さてコース専攻ごとに学部が三分割されて実施されたが、小学校主免専攻ではゼミ生が謝辞を代表して読むことになっていた。4年間の学びを振り返り未来へ希望を込めた言葉の締め括りに教育実習の際の子どもたちとの関わりを素材にした短歌が据えられた。なかなか心を開いてくれなかった児童に向き合い続け、やっと表現をしてくれたことの喜び。個々の子どもたちの心の機微は、土の中に埋まって見えないことも少なくない。だが忍耐強く向き合えば、必ず如何様かなる表現をしてくれる。それが「日常」にふと訪れる、誰しもが暦の上で過ごしている今日という「曜日」であるが、そこに成長の小さな芽を見逃さなかった実習生としての発見があった。「社会」とは、個々の人の個々の「物語」で成り立っていることがわかる。教師として個々の子どもに真摯に向き合うことが伝わる謝辞となった。
宮崎大学を旅立つ君へ
「お元気で」を忘れず
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短歌のオンライン高大連携交流授業ー「短歌県」の実践として
2021-03-23
「コンビニの店員さんの友だちの上司の息子の塾の先生」(俵万智『未来のサイズ』より)
高校生16班81人の投票で最高得票10の短歌
俵万智さん『未来のサイズ』は冒頭に昨年の「2020年」の短歌が置かれ、新型コロナを素材とした歌が並ぶ。そこから10首を教材として81人の高校生が16班編成を組んでもらい、各班で一番「いいね」と思う歌を選んでもらった。いわば「歌会」の形式・方法をまずは体験してもらうための授業1時間目である。その結果、冒頭に記した歌が一番人気を獲得した。「コロナ社会が人と人とが繋がることを目に見えて浮き彫りにした」「コロナの感染力の強さが実感できる」など、代表者が班内で「いいね」について対話する際に出た評を発表し合った。その後、「新型コロナ社会」についての素材の掘り起こしなど、班内で引き続き対話をしながら、全員が1首の歌を創作する。最後に各班の代表歌16首に大学生の歌3首を加え、19首の歌会を実施した。
以上のような3コマの授業を高大連携の研究企画として、宮崎大宮高等学校との間で実施した。県内の感染状況は落ち着いてきたとはいえ、様々に考慮して授業はオンラインで実施した。これは何もコロナ社会であるからのみならず、県内で高大連携を進めるための大きな一歩とするためでもある。大学側は附属図書館でオンライン設定がしやすい環境に基地局を創り、僕と参加するゼミ生がそこに集まる。双方に教室の全体映像とzoomをともに起動し、広い視点で双方の様子を観ながら進める。投票は各班のタブレットからチャットで送信、ゼミ生が投票を集計する。また各班の代表歌が決まったらチャットで送信、ゼミ生がWordにコピペして詠草を作り上げた。音声がよく通らないとかチャットが送信できないなどの小さなトラブルはあったが、まずは全員が短歌を創り班内の対話と全体共有で批評に参加できたことは大きな成果であった。これから秋にかけて宮崎県の高等学校の先生方と協力し「牧水短歌甲子園」方式で国語力を増進するという目標の実現に向け、この日のような高大連携授業をくり返し実践していく予定である。
「消毒液」「マスク」などの素材を高校生の言葉で
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通い合う短歌によって若者たちの輝く未来を開拓したい。
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常に広き世界を見よー「簡単便利」では学びにならず
2021-03-22
「常に広い世界を見よ」中学校恩師の言葉
苦労は買ってでもせよ
卒業の季節、あちらこちらからそんな便りが届く。大学学部での教え子が教員になって各校種で卒業生を送り出す、それこそが「教師冥利の上に教師冥利を重ねる」ような思いで受け止めている。何より教師になるには採用試験を突破するとか、授業技術を身につけるのみならず。大学学部の4年間で「教師」を名乗れるだけの人間的な成長こそが、大切であると考えている。よって「机上のゼミ」ではなく、教育現場と連携した経験や多分野の人々との出逢いから学ぶべきことを大切にしている。学生にとって、大学での内輪の学びや採用試験受験生のようになって試験勉強のみに勤しむ方が断然に楽であろう。だが育った卒業生の様子を見るに、現場に行くまでに何を学んでおくべきかは明らかだと思う。
端的にいえば僕のゼミは「簡単便利」ではない。県内各学校との連携、県の実施する諸行事への参加、短歌関連の企画への参加、附属図書館創発活動への取り組み等々、皮肉な物言いをするならば「面倒臭い」のである。だが広く長い目でこれを考えて欲しい、「教員」になってから、さらに長い人生を歩む上で「今」しかできない貴重な経験を提供していると自負している。僕が中学生時代に3年間担任であった国語の先生は、日頃から「常に広い世界を見よ」と教えてくれた。「広い世界」を経験するには、決して楽ではなく苦難も伴う。しかし敢えて苦しい道を歩むことで、その先の人生が明るく開けてくる。先生はそんなことを見据えて、自らの経験を踏まえ僕らに執拗に語ったのだろう。僕が先生から学んだことを、今また学部生らに伝えている。できるだけ多くの経験をしてこそ二次試験にも自信を持って臨むことができ、教員採用試験にも合格するのは自明のことだ。
「狭き門苦き道を歩む」
教科書だけを教えるのが教師ではない
人間が人間に向き合うことを忘るること勿れ。
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