創発読書会始動!
2021-02-17
ゲーテ「自然ー断章」問題作ながら様々な解釈・視点が浮上
学生さんも職員さんも参加する読書会
附属図書館に「創発」活動を根付かせるのが、昨年のリニューアルオープン以来の大きな目標である。「創発」とは『デジタル大辞泉』に拠れば、「要素間の局所的な相互作用が全体に影響を与え、その全体が個々の要素に影響を与えることによって、新たな秩序が形成される現象」とある。図書館とは資料があって利用者たる学生を待つ場ではなく、学生が自ら創り上げたいテーマを発見し、個々の活動が発生し他の活動と協働する生きた場となることを目指す。学生と教職員が相互につながり、個と全体が有機的な連関を持って新たな創造を生み出す場である。スマホが外形ではなく内実のアプリが起動し仕事をし、その内容が表示で一元化されるような「生きた図書館」であるべきと思う。
この日は、初めて「創発読書会」をオンライン開催した。初回ながら学生・教職員10名ほどが参加して、自由で豊かな会話が持てた。同僚の独文学を専門とする先生にファシリテーターをお願いし、ゲーテ「自然ー断章」を読み始めた。ドイツは現在も自然環境や動物愛護の先進国であり、その自然観には優れた考え方が根付いているといった紹介から話題は展開し、「自然=彼女」とした文章そのものが参加者の自然観を揺さぶった。その内容から若山牧水の自然との親和性とも関連があるのではという指摘もあり、牧水短歌のあり方にも僕は言及することになった。僕自身は「自然」の象徴的なあり方は「水」ではないかという考え方に至ると、牧水もまた「海」や「川」の自然との同一性を重んじた短歌が多いことなどを発言した。
学生らの問題意識も高く
これからも継続的に開催していく
将来的には図書館カフェでの自由なサロン的雰囲気を目指したい。
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