「文明の尻尾になるより文化の頭になろう」大林宣彦監督のことば
2019-11-29
大林宣彦監督癌で余命宣告を受けながらの映画製作
生きるとはこれだ!!!
NHKクローズップ現代で、大林宣彦監督の密着ドキュメントを観た。3年前に肺癌で余命半年を宣言をされたが、その後も精力的に映画製作に挑み続けている。癌との壮絶な闘いの苦しさは、本人にしかわからない想像を超えたものがあるだろう。だが監督は云う、映画を作り世界を変える責務があるのだと。戦争を経験し社会の矛盾が心に深く刻まれた世代として、戦争を知らない若者へ世界が変えられることを伝えたいと云う。並々ならぬ信念が、癌を乗り越えて映画製作に向かわせる魂の根本に据えられているようだ。
人は誰もが死という避けがたい運命を背負っている。だが、その明らかな事実になかなか正面から目を向けることができない。それゆえ「死」を自覚してこそ、自らの「生」の価値が最大限に知覚され、身を賭した行動に出ることができる。大林監督の姿からは、健康な僕らに「生きる責務」を突きつけるような深い尊厳に満ちたものが存分に伝わって来た。広島の平和記念公園を訪れても、自らがメディアの取材で目立つと「主役は僕ではない、ここで原爆で亡くなった多くの人々だ」と言って献花を拒絶し、群がる人々に「後ろから観ている人に迷惑だ」と車椅子を動かすよう激しく憤った。その姿に映画監督として、人間としての慈愛に満ちた覚悟ある生き方を見た。
この命、何にどのように賭けるか
甘え怠け覚悟なく、何ゆえに生きておろう?
「海辺の映画館ーキネマの玉手箱」必ず観たい映画になった。
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