今ここでしかできない講義
2019-11-21
「日本一の短歌県」を目指してこの大学でこそ学べること
短歌を語り合い短歌を演じ合い
大学の学びは多様であり、自治的にその内容は保障されていなければなるまい。特に担当者の研究分野が生かされ、所在地域と関連する深い学びを提供する場でありたい。嘗ては「この大学でこそ学びたい」という志望が強く作用していたように思うが、最近は偏差値など入試尺度による選択ばかりが横行している傾向がさらに強まっているように思う。だがやはり大学の選択は、各自の「生き方」の問題に直結しているだけに、「ここでしか学べない」内容をいかに提供できるかにこだわりを持つことが重要であるだろう。僕自身の経験でもそうだが、大学入学時に将来のすべてを悟っているわけでは決してない。大学時代に経験する課外や恋愛までのすべてを含めた生活経験が、人生の自立や方向性を左右するように思う。そのうちなる講義ひとつのあり方にも、大きな責務があるはずだ。
1年生のオムニバス科目「国語」の第2回目(全15回分の担当3回)講義があった。宮崎が「日本一の短歌県」を目指していることを前面に押し出し、「国語」という教科の目標とする「思考力・想像力・表現力」について対話的体験的に実感できる講義内容を目指した。教材は、若山牧水の短歌2首と俵万智さんの短歌1首。限定された短歌3首のみであるが、それだけに密度の高い内容を提供できたように思う。一語の言葉にこだわり、その意味内容を深く考える。短歌の表現している場面を想像し、なぜその想像をしたのかを話し合う。さらには短歌が描く場面を「寸劇」で表現する。教材とした歌の選択といい、講義の方法といい、たぶんいずれも日本で此処でしか実施ていない講義であると自負できる。学生たちが此処で学ぶ意味、担当者としてその「?」に応える必要があるように思う。
「国語」を総合的に考えられる思考
「短歌県」ならではの講義内容
つまりそれは、僕がこの大学にいる意味でもある。
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