まずはお好きな話題から
2019-11-30
公の仕事に入るその前にまずはお好きな話題から
社交の具としてのおはなし
この世には、縁が深く相性がよい人というのがいるものである。相互にとって幸せな運を持っており、何しろ趣味や話題が合致する人。何事にも仕事は仕事、趣味は趣味で境があるのは前提であるが、共通した趣味の話題を持っていると比喩的に腑に落ちる伝え方が相互にできて仕事の進行も潤滑なものとなる。関東と関西の生活文化的な比較はよく為されるが、仕事の前に潤滑油たる共通の趣味の話題を展開するのは関西の人であると聞く。もっとも大学の講義でも、すべてが研究の狭い領域の話ばかりでは、やはり学生を惹きつけることは難しい。マクラや途中休憩にCM的な話題が必要で、まったく講義の主題とは関係ないと思わせておいて、実は比喩的に関係し講義後に学生が腑に落ちる、と言った構造が実は絶妙な伝え方ではないかと思っている。
東京から遥々宮崎まで個人的な用件で、ある人が来訪した。ちょうど宮崎に移住をする際にも、あれこれとお世話になった人である。彼との共通の話題は「野球・BaseBall」、ともかくお互いにこの話題になると目の色が変わる。日本の「野球」のみならず「MLB」つまり”BaseBall”の次元での意識で話題を展開できる人は少ない。宮崎が県をあげて推し進める方策がスポーツキャンプ天国とあって、彼が来訪した空港から話題は尽きなかった。何しろ「BaseBall」には夢とロマンがある。本塁打の飛距離とか投手の球速とか、深く知らない人にとってはどうでもいいことに堪らない興奮を覚える。その気分の高揚と爽快さを持って、肝心要の用件を潤滑に進めることができた。こうした豊かで愉快な人間関係、今の世の中にはだいぶ薄れて来ているのではないか。
仕事でも心が通い合うこと
閉鎖的で潤滑性なき人付き合いなどしてなるものか
人はみな人との繋がりの中で生かされている。
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「文明の尻尾になるより文化の頭になろう」大林宣彦監督のことば
2019-11-29
大林宣彦監督癌で余命宣告を受けながらの映画製作
生きるとはこれだ!!!
NHKクローズップ現代で、大林宣彦監督の密着ドキュメントを観た。3年前に肺癌で余命半年を宣言をされたが、その後も精力的に映画製作に挑み続けている。癌との壮絶な闘いの苦しさは、本人にしかわからない想像を超えたものがあるだろう。だが監督は云う、映画を作り世界を変える責務があるのだと。戦争を経験し社会の矛盾が心に深く刻まれた世代として、戦争を知らない若者へ世界が変えられることを伝えたいと云う。並々ならぬ信念が、癌を乗り越えて映画製作に向かわせる魂の根本に据えられているようだ。
人は誰もが死という避けがたい運命を背負っている。だが、その明らかな事実になかなか正面から目を向けることができない。それゆえ「死」を自覚してこそ、自らの「生」の価値が最大限に知覚され、身を賭した行動に出ることができる。大林監督の姿からは、健康な僕らに「生きる責務」を突きつけるような深い尊厳に満ちたものが存分に伝わって来た。広島の平和記念公園を訪れても、自らがメディアの取材で目立つと「主役は僕ではない、ここで原爆で亡くなった多くの人々だ」と言って献花を拒絶し、群がる人々に「後ろから観ている人に迷惑だ」と車椅子を動かすよう激しく憤った。その姿に映画監督として、人間としての慈愛に満ちた覚悟ある生き方を見た。
この命、何にどのように賭けるか
甘え怠け覚悟なく、何ゆえに生きておろう?
「海辺の映画館ーキネマの玉手箱」必ず観たい映画になった。
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「海の聲」を聴いている
2019-11-28
就寝時に頭の先から聴こえる海岸線から3Kmの高台に横たわる
あたりの閑かさを透かしての聲が
昨日の小欄で、若山牧水と宮崎の魅力に関する発表を学内で行ったことを記した。自らの身体も自然の一部という牧水の短歌から読み取れる自然観は、たぶん都会に住んでいたのではなかなか実感がわかない。牧水の第一歌集『海の聲』は、大学生の頃から若き日の歌を収める。そこで牧水が宮崎の自然の奥深さを自覚しているのは、大学生活を送る東京から帰省した際に取材したものであろう。「独り海聴く」という若さの孤独と人間の小ささの自覚、東京も経験したからこそ故郷・宮崎の魅力をより多く受け止めることができたのだろう。物事はすべて相対化の中にあり、他との関係によって初めて意味をもつ。そんな自覚は常に持っていたいものだ。
いま小欄を記している間に、未だ明けぬ闇に向かって思わず窓を開けた。まさに「海の聲」が鳴り止まず、僕の耳に届いているのを深く確かめるためだ。就寝時に電灯を消した瞬間に、我が身が置かれている世界観に思いを馳せることが多い。視野が閉ざされた暗い闇、その闇の性質そのものも、東京のそれとは大きく違う。次第に五感は視覚から聴覚へとシフトし、眼と違って耳は蓋がないので閉じられず、そのまま眠りの底へと向かうことになる。やや臨死体験のようなこの過程にこそ、自らの命を自覚する効果が埋め込まれているように思う。この海と山が常に身近に実感できる環境、太陽や月の出をすべて見通し地球の陸の一端にいる我の自覚が尊い。
命を深く自覚できること
「聲」を疎かにしないこと
「聴く」は「受け入れる」ということ。
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人生の歩みと研究と宮崎
2019-11-27
宮崎大学の研究として7年近くをいかに歩んだのか
そして人生を貫く「聲」への思い
学内で貴重な研究発表をする機会を得て、これまでの研究や現在から将来の展望について約30分のプレゼンを行った。宮崎大学赴任のちょうど1年前に刊行した単著、その業績も評価されてか2013年に専任准教授として採用された。それ以前2年間の非常勤生活、さらに遡れば中高一貫校での専任教員として、現場に即した国語教育の実践を重ねてきた。だがやはり根本に据えてきたのは「和歌」研究であり、和漢比較文学という方法での漢籍受容の問題への興味関心が深かった。こう考えるとさらに僕の課題に通底するものは「歌とは?」であり「聲とは?」という根源的な文芸の営みを考えることである。音声表現論としての朗読研究は、幼少の頃の絵本や紙芝居の経験に端を発するが、やはりそこには「詩的抒情」が関係しているように思う。
宮崎では、若山牧水に出逢い直した。早稲田出身の歌人として、また牧水の妻・喜志子が在京時に身を寄せていた太田水穂の邸宅跡が、僕の生まれた実家のすぐそばであったことなど、牧水との縁は出生から連なるものがある。同様に早稲田のご縁でもある伊藤一彦先生にも出逢い、歌人としての実作や評論から大きな示唆と刺激を受けたことも、宮崎でこそあり得た人生の幸福であろう。牧水は、短歌の素材を多く耳から聴取している。「海の聲」を聴き、鳥の啼く音を聴き、「日の光きこゆ」とまで短歌に表現する。一言に「きく」と言うが、「聞く」は字源として「問う」に類し一方的に他に働きかける無意識な傲慢さが伴う。しかし「聴く」は、「受け入れる。許す。」「治める」「待つ」などの他を受け入れる寛大さと懐の深さがある。宮崎でこそ育むべきは、「聲を聴く」ことである。国語教育の「聲」と和歌短歌の表現、さらには恋歌における和歌短歌史の問題や歌謡曲との関係など、宮崎でこそ得られた研究を自らの物とする階梯をいま登っているのである。
「海の聲たえむとしてはまた起こる地に人は生れまた人を生む」(『海の聲』牧水)
「日向の国都井の岬の青潮に入りゆく端に独り海聴く」(『海の聲』牧水)
「学校にもの読める聲のなつかしさ身にしみとほる山里すぎて」(『山桜の歌』牧水)
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すべて人からはじめよ
2019-11-26
パーソナルトレーニングの効身体の道先案内人
何においても「人」との出逢いからはじまる
仕事柄、身体が硬直し肩凝りなどが断続的に起こる時もある。今現在、小欄を書いている時もそうだが、ブルーライトを眼から吸収し(もちろんカットする眼鏡をかけてはいる)、キーボードを両手の下に、次第に文章に執心してくると自ずと前のめりになる姿勢が上半身を硬くする。また会議の席では、特に身体が固定されているわけではないが、やはりその空気感の中で各所が硬直しやすいのは確かである。この状態の解消にあたり、対症療法であるマッサージや湿布などをすることはない。あくまで身体各所を動かすことによってはじめて、根本的な解決に導かれるものである。
今年の初めから開始したパーソナルトレーニングは、今や生活に不可欠な存在になった。何よりトレーナーさんとの出逢いが、トレーニングの考え方も一変させてくれた。以前まではスタジオプログラムでできるところまで踏ん張っていたが、年齢を重ねると活性酸素が多く発生しむしろ老化を促すこともあると云う。体重に関してもBMIの値が低ければ健康というわけではなく、一定の脂肪があってこそ免疫力が保たれるらしい。また僕自身の左右の四肢のバランスや、痛みが生じる原因などについて、パーソナルトレーナーの方は微細に把握し次の段階のトレーニングを提案してくれる。もちろん基本的に料金が発生する売買契約であるのだが、「人」として繋がれる感覚のある人との出逢いは貴重である。
出逢いと相性の不思議
幸運をもたらせてくれる人
大切にしたいあたたかき心
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#細島いわがき・#ひおうぎ貝ー#宮崎ひなた食べる通信
2019-11-25
日向市細島港の磯の香りが海洋資源を獲り尽くすような漁では
持続可能な養殖への転換を果たした生産者から
宮崎県日向市は、若山牧水の生誕地でもあり短歌関係の企画や行事が開催されることも多い。そうした折に何度か細島港を訪れたことがある。港の市場のすぐ脇には「海の駅ほそしま」があり、新鮮な地獲れの魚介類を味わうことができる。また本日の標題とした「宮崎ひなた食べる通信」の編集長である長友慎治さんに連れ立って、親友の落語家とともに漁港の寿司屋に行ったこともある。いずれも細島港の澄んだ海からの恵みを堪能できて、宮崎県の生産が牧畜業や野菜の生産など、陸の食材のみではない奥深さを再認識する機会であった。その細島港で牡蠣養殖に勤しむご夫婦の逸品が「宮崎ひなた食べる通信冬号」として送られてきた。細島港での牡蠣養殖で育ったものは、他よりもミネラルが豊富で一年中食べられる上質なものであると通信は伝えている。
海洋資源に対しては格別な文化を育んできたわが国において、海洋資源の枯渇や海水温の上昇など温暖化の問題は深刻である。列島各所で台風や豪雨の被害が毎年のように断続的に続いているのと同様に、海洋資源の異変も僕たちには見えないだけで深刻の度を深めているのではないだろうか。秋刀魚の水揚げの減少を考えても、明らかに列島の食卓の風景を一変させてしまう一大事なはずだ。近現代150年間が荒らしてしまった自然が既に悲鳴をあげているにもかかわらず、未だに兵器の増強などの戯言ばかりに執心する人間やいかに?エネルギーも海洋・陸上すべての資源を、再生可能な「自然と融和」したものに転換していくことが急務である。標題の「いわがき」「ひおうぎ貝」を早速に妻とともに調理して美味しくいただいた。生産者の日頃からの努力と親子間の養殖継承の物語が詰まった逸品、その素顔を知りながら宮崎の港に、海洋資源の未来に思いを馳せて海と融和するご家族がいることに、聊かの安堵を覚えたりするのだ。
早速、編集長の長友さんからメッセージ
生産者の素顔を知りつついただくありがたさ
そうだ!また日向に行こう!
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締切日のさまざまな憂鬱
2019-11-24
「11月31日」ないはずの日付「末日」と解釈していたが
それが誤植とわかる葉書が手元に
原稿締切については、手帳の月別の欄外に赤字で表示し月間計画の上で厚く意識するようにしている。構想から執筆・推敲を経て脱稿するまで、早ければ2週間、長いもので数ヶ月や半年を要するものもある。この逆算や段取りをいかに計画的に実行するかが肝要、と学生などには指導する。だが締切日に対する感覚は、どうしても人ぞれぞれのものがあるのは否めない。食事の折に好きな惣菜を最初に食べるか、最後に食べるか?嫌いな惣菜ならどうか?などと早く片付ける派と最後まで温存派は、「好きだから早く」というのと「嫌いだから早く」、「じっくりやりたいから遅く」と「なかなか手がつかずに遅く」など、複雑な心境が渦巻くものである。
週末に一葉のハガキをいただき、衝撃の内容が記されていた。今月末と認識していた締切日が、「11月3日」だと記されて「原稿を大至急」と言うのである。原稿依頼の書面には「11月31日」となっていておかしいとは思っていたが、そのまま「末日締切」と解釈していた。それが「31」の「1」の方が「0」でなく、不必要な誤植であったのだ。しかも曜日も「(月)」となっていたので、「3日」を匂わすヒントにもならなかった。偶々この連休は何の予定もなく時間があったので、慌てて原稿を仕上げに追われることになった。既に「真実の締切日」が過ぎてしまっていることへの呵責の念とともに、大変重要な「締切日」を依頼書において誤植があることへのあり得ないだろうという思いが心の中で渦巻いている。
憂鬱ではあるが締切日があればこそ
逆算のスケールをさらに伸ばしておくべき
人生はあらゆることが学びであると思いたい。
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みやざき餃子で家族の食卓
2019-11-23
餃子消費量は日本で三本指に謙虚に高次元の餃子がいつでも
みやざきでの家族の食卓
餃子がご当地名物であるといえば、宇都宮を筆頭に浜松が追随しているというのが全国的な位置付けであろう。だがたぶんこの二地域にも勝るとも劣らないのが宮崎なのである。県内で「ご当地」感があるのは高鍋で、キャベツの生産量が多いことから市内にいくつもの名店ができたと聞く。高鍋にあらずとも宮崎市内にも名店が点在していて、既に常連となっている店もある。その店には著名人も多く来店し、今年の2月にはある大変に著名なスポーツ選手(現在は解説者)と出逢い、餃子店の後にもう1軒ほど渡り歩き、連絡先まで交換する幸運に恵まれた。まさにみやざき餃子の縁はなかなか優秀なものがあるのだ。
店内で食べるのみならず、餃子は「持ち帰り」に適した料理である。消費税増税からすると、誠にありがたい食品ということにもなる。全県に展開する餃子チェーン店があり、生や冷凍でまとまった数を購入することができる。この日は久しぶりに50個+20個を購入し、東京から宮崎に来ている妹と、宮崎でイルカトレーナーをしている姪っ子、そして両親とともに妻と餃子鍋を囲んだ。宮崎といえば宮崎牛などがすぐに全国的に取り沙汰されるが、隠れた食材で優秀なのは野菜である。鍋には大学祭で農学部が販売していた白菜を中心に、椎茸やえのき茸などのキノコ類に豆腐などを含めて豊富な食材を妻が揃えてくれた。餃子を鍋に浮かせれば数分で食べ頃、もちろんその餡にも野菜や肉が豊富である。
餃子がとりもつアツアツの時間
日常から冷凍保存しておきたい逸品
餃子県みやざきもお忘れなく!!!
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大学生の「性」について短歌で
2019-11-22
短歌によむ恋と性愛全国的に頻発する性暴力被害などに対し
告白や恋愛に突き進まない世代の課題として
今に始まったことではないが、大学生の年代における性暴力の被害は後を絶たない。計画的にアルコールや睡眠剤を使用した悪質な犯罪的行為として、集団で行われてしまうケースなどが報道されている。そうした際に使用される「性的同意」という語彙の立証しづらさと卑怯さ、被害を被害として公に晒したくないという思いから被害を受けた側が泣き寝入りとなるケースもある。こうした社会的問題の根本に、若者の「恋愛」「性愛」に対する向き合い方の変質があるようにも思う。対人関係そのものを忌避する傾向の中で、傷つきたくないことから恋愛に踏み込まない。その結果、生涯未婚率も上昇しており少子化社会に拍車をかけている。果たして若者にとっての健全な「恋愛」「性愛」とはどのように考えたらよいのだろうか。
学内で前述のような問題意識から、安全衛生センターの医師らを中心に啓発シンポジウムが計画された。なぜかそのパネリストを、仰せつかることになった。どうやら学士力発展科目「日本の恋歌ー和歌短歌と歌謡曲」の担当であることなどから、起用が決まったらしい。あらためて考えてみると、和歌短歌の歴史はそのまま「恋歌」の歴史と置き換えてもよいだろう。『万葉集』の相聞歌からして、自らの恋心を相手に訴えるためのツールとして「歌」が社会的に展開してきたと言える。講義でテキストにしている『あなたと読む恋の歌百首』(俵万智著 文春文庫)にも、「性愛」を詠んだ歌は多く取り上げられており、様々な時代において「性愛」が人にとって大きなテーマなのだと分かる。さてシンポジウムは、どんな展開になるか?医師たちとの打ち合わせを終えて、今から楽しみものになりそうな予感がする。
12月17日(火)16:30〜18:10
宮崎大学農学部206教室
対象は学生・教職員 安全衛生センター主催 メンタルヘルス講演会
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今ここでしかできない講義
2019-11-21
「日本一の短歌県」を目指してこの大学でこそ学べること
短歌を語り合い短歌を演じ合い
大学の学びは多様であり、自治的にその内容は保障されていなければなるまい。特に担当者の研究分野が生かされ、所在地域と関連する深い学びを提供する場でありたい。嘗ては「この大学でこそ学びたい」という志望が強く作用していたように思うが、最近は偏差値など入試尺度による選択ばかりが横行している傾向がさらに強まっているように思う。だがやはり大学の選択は、各自の「生き方」の問題に直結しているだけに、「ここでしか学べない」内容をいかに提供できるかにこだわりを持つことが重要であるだろう。僕自身の経験でもそうだが、大学入学時に将来のすべてを悟っているわけでは決してない。大学時代に経験する課外や恋愛までのすべてを含めた生活経験が、人生の自立や方向性を左右するように思う。そのうちなる講義ひとつのあり方にも、大きな責務があるはずだ。
1年生のオムニバス科目「国語」の第2回目(全15回分の担当3回)講義があった。宮崎が「日本一の短歌県」を目指していることを前面に押し出し、「国語」という教科の目標とする「思考力・想像力・表現力」について対話的体験的に実感できる講義内容を目指した。教材は、若山牧水の短歌2首と俵万智さんの短歌1首。限定された短歌3首のみであるが、それだけに密度の高い内容を提供できたように思う。一語の言葉にこだわり、その意味内容を深く考える。短歌の表現している場面を想像し、なぜその想像をしたのかを話し合う。さらには短歌が描く場面を「寸劇」で表現する。教材とした歌の選択といい、講義の方法といい、たぶんいずれも日本で此処でしか実施ていない講義であると自負できる。学生たちが此処で学ぶ意味、担当者としてその「?」に応える必要があるように思う。
「国語」を総合的に考えられる思考
「短歌県」ならではの講義内容
つまりそれは、僕がこの大学にいる意味でもある。
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