節目の年度末
2018-03-31
任期満了新しき講義
そして実家の移転も
年の瀬とはまたちがう節目の感覚が、年度末にはある。とりわけ今年は公私にわたりまさに「節目」と言えるような日々が続く。実家の移転、教務委員の任期満了、担当講義の移行、などに加えて新たなる友だちの出逢いもある。毎年1月から3月までは瞬く間に過ぎてしまうが、今年に関しては様々なことがあり過ぎたせいか、思いの外、長いという感覚で過ごしている。その出来事・出来事のたびに刹那の思いを抱きつつも、これまでとこれからの「人生」そのものを考える機会となっている。まさに「潮目が変わる」というのはこういうことであろう。
宮崎大学での丸5年を本日迎えることになる。赴任当初と今では、自分ではわからずとも多様な変化があるように思えてきた。積み重ねてきた業績、宮崎の人々との出逢い、そして地方で生活することによる発見。それぞれがいずれも凝固するような時季になって、あらためて融解・撹拌する必要があるのかもしれない。先日の都農ワイナリー訪問にあたり社長さんと話していると、「最近の若い者は博打をしない」という話題となった。もちろん「博打」は違法であることは念のためお断りしておくが(要はこれを断らなければならない世の中であるということ)、人生においても安全で確かな見通しをもって進んでいけることは少ないのではないか。ここぞという時に、「勝負」できる度胸が人生を拓くのではないだろうか。
両親の会社も57期をもって終えた
両親もまた新たな人生を楽しむ時がきた
今ここに心新たに。
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地域読み語り会との交流
2018-03-30
対話的読み語り小学校の朝の時間ボランティア
お母様方と学生の交流
ゼミ生を中心に地域の小学校にて、「読み語り」ボランティアを実践している。この3月に卒業する学生が通い始め、その実践に基づいて卒論の題材とした学生もいた。その活動は小学校PTAを中心に以前から行われていたもので、その輪に学生を入れていただいた形である。お母様方も当初は、「果たして学生で大丈夫なのか?」と不安が大きかったというが、実践を繰り返すうちに豊かな交流機会になって来たと云う。この日は僕とゼミ生数名が参加して、「読み語り」を考える懇談会&年度慰労会が開催された。講演のように話してくれと依頼されたが、僕の主義として「対話的懇談」がよいと進言し、自由に日頃の疑問などを語り合う会となった。
話の切り口は「オノマトペ」のこと。「絵のない絵本」のような言葉遊び的な内容に、果たして意味があるか?とりわけ教育現場で実践する場合、何か教訓・道徳めいた内容がなければならないか?読み語り実践後に、子どもたちが盛り上がってうるさい状態になり先生に怒られてしまうのをどう考えればよいか?平板に読むか、感情を入れ込んで伝えようとする読みをするか?など個別の質問に対してお母様方の意見も交えて、豊かな懇談が続いた。むしろ句読点を厳密に守って読むことで、日常言語から乖離した違和感が生じてしまうこと。抑も「読み聞かせ」という用語を使用しているが、上から押し付けがましい印象が拭えないゆえ、新たな用語を開発すべき等々、2時間はあっという間に過ぎていった。
聞き手の反応を受け取り読み手が変化する
「対話的読み語り」の効用を考えよう
AIの「読み上げ機能」にない人間の声の意味を、将来にわたって考えるべきではないか。
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冷静と情熱ーユーモア融和策
2018-03-29
内省的か表出的か沈思黙考か動き語りながら考えるか
冷たいけど温かいが魅力の源となるのでは
昨日、一昨日と東京から宮崎を来訪してくれた友人から、「だいぶ表現の人になった」という趣旨のことを言われた。様々な分野の人々を取材している友だちであるゆえ、その印象にはある種の信憑性があると思っている。友だちとは、約3年半ほど会う機会がなかった。ということは、この宮崎での生活が、僕を「表現の人」にしたのだと言ってよい。振り返りますれば宮崎に来る前、3.11を前後しての数年間は仕事の方向性で誠に悩み深き時期だった。そのバーのカウンターで酒をともにしても、どこか煮え切らない自分があったのかもしれない。生きる方向性は決まっていても、器のない虚しさとでも言おうか。小欄もその行き場のない気持ちの受け皿として、文章を流し込んでいたのかもしれない。
どんなタイプか?と人に問えば、「冷静で穏やか」であると言われることも多い。だがその一方で、「情熱」が溢れ出てしまうこともあると自覚している。ゆえに言動が空回りし一本気になり融通が利かなくなることもあると自分では用心しているつもりだ。最近、ある人との客観的なメール交換で、このことをさらに深く自覚した。「冷静で穏やか」であり、欲を言えば「ユーモア」もそこに加えたくなる。その「ユーモア」が、「情熱」の高まりによる固着をどこかで冷まして柔軟性を保つ融和材になる。「ユーモア」を持つためには、様々な友だちとの交流が必要になりその異分野の発想から学ぶことは多い。内省的に深く考えることも大切だ。だがしかし、それはどこかで独りよがりになることが避けられない。よって、やはり他者にどれだけ表現することで自分を客観視するしかないのではないだろうか。
ありがたき友だちの言葉
受け止めてまた節目の5年目年度末
冷静と情熱の間にユーモアを・・・短歌もまた同じ。
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「地方発ヒット」に学ぶ
2018-03-28
『逆算発想のものづくり』(2018年3月 日経BP社刊)そのエキスを宮崎で頑張っている人たちにも
また新たな人の輪が拡がる
朝8時半に宮崎市内を発ち一路北上し、都農ワイナリーに向かった。昨秋の和歌文学会大会に一つ返事で協賛いただいた社長さんにぜひ直接に御礼が言いたいという気持ちも大きかった。「南限のワイナリー」として「すべてはマイナスから出発」したという趣旨のお話も聞けて、様々な苦労の上にこの美味しさが産み出されていることをあらためて知った。もともとワインは好きでほとんどが海外産を嗜んでいたが、宮崎に来て都農を知ってから積極的に地元産を愛飲するようになった。スパークリングも含めてその味は、上品で香り高い逸品なのである。工場見学を含めてあれこれとお話いただいき帰りには、『闘う葡萄酒 都農ワイナリー伝説』(上野敏彦著 平凡社)をいただいた。
その後は友だちの「ひむかBiz」センター長らと合流し、まずは美々津港へ向かう。牧水が7・8歳の頃、母に連れられて初めて見た海がこの美々津の海であった。神武天皇お船出の地としても有名であり、過去には川を使った材木運搬が盛んで廻船業で賑わった港町である。街並保護地区に指定されている古民家の立ち並ぶ景観はなかなか風情がある。何軒かの古民家を見学させていただいたが、築160年ほどに及ぶものもあって驚きである。リフォームを加えて古民家民泊にしようとする計画があるのも興味深い。ぜひゼミや短歌会の合宿で使用したらという話にもなった。その後は東郷町道の駅で「牧水そば」を食して後、「あくがれ蒸溜所」へ。牧水の短歌にちなんだ焼酎について、今後の販売方法など様々な話題について蔵の方々と談義できた。さらには牧水記念館へ向かい、ただいま開催中の「牧水母校展」も拝見。最後に日向市内の「ひむかBiz」事務所に立ち寄り、その後は宮崎空港へ友だちを見送った。
「宮崎発」の持つ大きな可能性
そして既にこの地で頑張っている生産者の方々の勇姿
そこに牧水や短歌の色付けを十分に施していきたいと、あらためて宮崎愛が増した2日間。
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自分に正直に生きるだけ
2018-03-27
心の赴くままに
好きなことをして生きる
人生は自分に正直たれ
東京から友だちが、宮崎を訪れてくれた。これで何人目になるだろうか?宮崎赴任が決まった時、「行くからね」と言ってくれた人は多いが、実際に来てくれる人は限られる。それでも昨秋は和歌文学会大会を宮崎で開いたゆえ、だいぶ仲間の研究者は宮崎を訪れてくれたことになる。研究者以外で宮崎を訪問してくれる方は、なぜか東京のあるお店繋がりの友だちたちだ。仕事も職種も違うのだが、宮崎に興味をもってくれるという好奇旺盛な方が多いからかもしれない。今回は特に、「地方発ヒットを生む」といった発想の御著書もある友だちの来訪とあって、宮崎にとっても僕にとっても嬉しい機会となった。
夜はまず馴染みのおでん屋さんへ。通りから狭い路地を入り込み、暖簾をくぐると昭和の香り漂うカウンターの向こうにおでん鍋の湯気が見える。友だちも「このままロケで使えそう」とまずはその雰囲気を絶賛。おでんと胡麻鯖などに舌鼓を打った。この店は僕が宮崎に来て初めて来た飲み屋らしい飲み屋である。カウンターの見知らぬ客同士の語らいもよろしく、こうした傾向を好むのも僕の店選びの特徴だ。その後はゼミの卒業生4名と合流し、「宮崎で生きる(特に教員として)幸福」について語り合った。4名中2名は県外出身者で、特に都市部から宮崎を選んで大学に入学し、そのまま就職した人たちである。「なぜ宮崎で暮らすのか」その問いは普遍的でもあり個別的なテーマでもある。様々な話題に及んだが、要は自分の心の赴くままに素直に正直に生きられることこそが何よりの幸福ではないか、といった楽しい語らいであった。
この語らいそのものが心の赴くままに
宮崎の空気に友だちも癒されて
交通が不便だと言われるゆえに、貴重なものが保存されているのだろう。
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6分20秒を体感せよ
2018-03-26
米国高校の銃乱射事件全米で若者たちの銃規制を求めるデモや集会が
事件のあった高校の生徒のスピーチの訴え
そのスピーチはいきなり止まり、沈黙の時間が流れた。悲しみに声に詰まったわけではない、訴えていた高校生は静かに「6分20秒」が経つのを待ったのだ。その時間はフロリダ州での事件で、実際に銃乱射が続いた恐怖極まりない時間であると云う。僕たちは何もなければ、あっけなくただのうのうと過ごしてしまうほどの時間の長さである。だが当事者の恐怖と心痛と動揺を想像してみるがよい、耐え難く長く苦しい時間であったに違いない。いや、こんな端から空虚な想像を絶する時間であったに違いない。繰り返される米国の銃乱射事件、巷でも起こり得るべきことではないが、過去を振り返っても高校や大学という教育現場での悲劇が後を絶たない。
策なき愚かな為政者は「教師が銃を持て」と叫び、こうした事件の元凶たる構造を煽り立てる。元来が移民の国であるアメリカ合衆国では、開拓の時代に自らの身を護る意識が過剰に醸成され、正当防衛としての銃が一般化してしまっていると聞く。もちろんそれは、全米ライフル協会と政治関係者とのパイプという利権構造の上に立った物語作りに過ぎない。対処療法的な銃規制では効果は少なく、こうした元凶を改めなくてはならないだろう。今まさにトップに立つものがこの元凶な傾向の発言を繰り返す、ゆえに大きなチャンスが巡って来ているのかもしれない。そこで全米で高校生らの若者を中心にした反対運動が巻き起こっているのは、誠に頼もしい限りである。冒頭に記した高校生のスピーチ方法一つとっても、果たして日本人の高校生がこの発想に至るだろうかと思ってしまう。若者の表現力は、その緊迫した社会を写し出している。
自分だけ身を護ればいいのか?
為政者はまさにその立場だけで生きている
「私には夢がある」さらに全世界の若者よ声をあげよ!
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南国リゾートいま住む処
2018-03-25
「ブラタモリ」宮崎版テーマは「宮崎はなぜ南国リゾートになったか?」
ほとんどのロケ地が自宅から至近の場所で・・・
TVはほとんど観ない生活をしているが、「好きな番組は?」と聞かれれば「ブラタモリ」と即答する。だが、土曜日の夜の放映ということで研究学会や歌会や様々な企画のために、真っ当に観られる回は少ない。この番組が始まった当初は、東京の下町を中心にその地形について探っていくような趣旨であったため、僕の出生地周辺の馴染みの坂道などが登場して、深い親しみを覚える内容であった。それが今回は「宮崎」が舞台とあって、かなり意識してこの日の予定は空けておいた。(もちろん本気で好きなら毎回録画をすればいいのだろうが、そこまで録画が生活習慣化していないと言っておこう)その「宮崎版」の舞台の中心は「青島」であり、僕の現在の自宅から車で10分ほどの場所である。地域連携群読劇を開催した亜熱帯植物園から番組冒頭はスタート!宮崎が「南国リゾート」になった秘密が明かされていった。
「青島」は、現在も年間90万人が訪れる一大観光地だそうだ。だが居住してぶらりと訪れるとそれほどの喧騒は感じない。実に自然が豊かで心地よい海風に吹かれる馴染みの浜である。昭和30年代には日本で結婚したカップルの4割に当たる37万人が、宮崎を新婚旅行の地に選んでいたそうである。また昭和37年には当時の皇太子御夫妻(現今上天皇御夫妻)が鵜戸神宮を訪問されたことで、安産祈願の神宮として著名になり新婚旅行ブームに拍車を掛けたと云う。また、タモリさんも「知らなかった」と言っていたが、宮崎はサーフィン天国。砂岩と泥岩の地層によって「鬼の洗濯板」などの奇岩風景が広がるのだが、そこに遠浅の海岸が相まって「サンドバー」がたくさんできることでサーフィンに適した波が来るのだそうだ。そしてまた黒潮の支流が流れ込み、また黒潮が四国に当たって反転して来た海流が交わる場所が青島。何よりこの地形が生み出した青島そのものが「南国リゾート」の原点だと云う。牧水の歌にも詠まれた「檳榔」が繁殖するその神秘の島にも、僕はいつも身近に願をかけることができるのである。
「檳榔樹の古樹を想へその葉陰海みて石に似る男をも」牧水
かの牧水も恋の成就を願ってか青島で歌を詠んだ。
人生で「リゾート」に住む経験など、そう簡単にできるものではあるまい。
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贈る言葉は四年そのもの
2018-03-24
卒業式・祝賀会受付業務から卒業生らと
餞の言葉は四年間での言動で・・・
またこの日がやってきた。教員になって初年度から、常に僕の人生には卒業式の日がやってくる。その初年度などは非常勤講師であったから、授業しか担当していなかったが、それでも卒業式で感情が高ぶったのち、夕方になって誰もいなくなった教室で一人黄昏れた記憶がある。その後の中高教員時代は、全ての年度に担任を持っていたので、当日の教室でまさに「贈る言葉」を生徒たちに伝えてきた。振り返りますれば、青き未熟な教員時代は形式的にその「言葉」を紡ぎ出していたように思う。だが次第に自然と在学時代のことを振り返ると、その内容が語れるようになってきた。要は建前の「贈る」は要らない、既に在学時の関わり合い方によって卒業式の日の最後の心の交流は出来上がっていると言ってよい。
今年卒業するゼミ生たちは、特に前述したことを明らかに感じさせてくれた。ゼミに入ってくる3年次から、様々な課外活動に参加して多分野の人々との交流も積極的にこなして来た。また大学近隣の小学校に足繁く通い、朝の読書活動などを進めて来た。日常から議論する際にはお互い忌憚なく、納得が行くまで徹底的に語り合った。そんな中で僕の方も、教えられることが多かった。この2年間というのは僕にとっても多忙な日々で、教務教育実習担当でありながら「地域連携群読劇」の企画実施や和歌文学会大会の開催に漕ぎ着けた。その行事もまた、このゼミ生たち無くしては実現しなかったのも事実である。僕自身は助けて欲しいと思うことは、率先して参加して協力することを惜しまなかった。さらにはゼミ生たちを中心に「宮崎大学短歌会」も結成された。このような二年間であったからこそ、卒業式で形骸化した「贈る言葉」があるのではなく、既に今後も継続する彼らとの「関係」があるのだと思う。
「染まずただよふ」と名前の刻印された記念のペン
これを携え教育現場で今度は君たち自らの「卒業式」へ向かう日々へ
僕もまた次の卒業式へと向かう準備を始めよう。
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箪笥の居場所は何処へやら
2018-03-23
「箪笥」という文化木材の長所を活かし衣類を護る
巨大なそれが鎮座していた住宅の時代
実家の移転に伴い、1竿の箪笥が届けられた。長年、母の和服を保護してきた桜の樹素材の逸品である。移転先は都心のマンションであるゆえ、前提として大型の箪笥などを受け入れる容積にあらず。またマンションは階数にもよるが、3.11を経験した僕としては背丈の高い家具を入れるべきではないということを知っている。そんな状況下で多くの家具類を惜しみつつ処分しなければならなくなったが、母の和服の保管場所ということも重要で比較的広さのある僕の家にという成り行きとなった。しかし、引越業者が運び込もうとすると、当初予定していた置き場所の2階和室までその代物は上がらないことが判明した。
階段の角を曲がれず、無理に上げたとしても2階の踊り場から部屋に入らない。なかなか理屈の上の”実寸数値”による想定は難しいものである。そこで急遽、代案の置き場を考えることになり1階の和室に箪笥は鎮座することになった。この状況から、いくつかのことを考えさせられた。まずは「箪笥」という文化が、既に過去のものであること。マンションにはクローゼットが当初から設置され、置き場所がほとんど想定されていない。また木材の素材感を活かした衣類保護という、日本の気候に適合した知恵も失われた。木造住宅の良さを考える時、マンション構造において住宅内部で外気と呼吸をすることはなくなったのである。林業も盛んである宮崎の木造住宅に住んで5年、身体などの調子が良いのは偶然ではあるまい。
「箪笥」を知らない子どもたち
衣類保護にも無頓着になりがち
都会生活では既に多くの古き良きが失われている。
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水が合うまさに宮崎
2018-03-22
温泉で肌も滑らか空気も綺麗で花粉症は改善
これぞ「水が合う」と云うこと
スギ花粉の飛散がピークであると聞く、春分の日。日暮れの時間も遅くなったと、長く寒い冬が今年は特に思い返される。それでも尚、関東からは雪の便り。あらためて、南に住んでいるありがたさを覚える。季節病とも言える花粉症であるが、宮崎にいる以上特に問題はない。今年は1月から5回ほど上京しているが、その都度の東京では常に鼻水を啜るような状況であった。それが不思議と宮崎に帰ると自然に治癒している。もちろん、薬などを服用する必要もない。
これを「水が合う」と云うのであろうか、宮崎でも花粉症に悩まされている人は多い。だがどうだろうか?関東ほどではないような印象だが、統計調査などはされているのだろうか?首都一極集中を避けるための政策が講じられているが、こうした「大気」など自然環境の問題をもっとクローズアップしてもよいように思う。久しぶりに近所の公共温泉へ。馴染みの方々と、変わらず四方山話に興じる。この方々も皆、温泉に入らないと1日が終わらないと言うほど温泉好きである。おかげで肌も綺麗で健康そのもの。健康とは環境と習慣が創り出すものである。
食生活もまた然り
5年間生活してまた若返ったかも
ありがたき宮崎の水である。
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