隠れメニューと常連客
2017-07-23
「えび0.5」「ヒレですね」
馴染みの飲食店にて・・・
ほぼ1日中、研究室で原稿を書いていた。休日のキャンパスは人影もまばらで、何より閑かなのがよい。研究室を訪ねてくる人もおらず、廊下には足音も聞こえない。まるっきり自分のために使える時間があるというのは、実にありがたいものである。それでも籠りっきりになると頭も回らなくなるので、必然的に食事の時間が楽しみとなる。それでも昼食はあまり重くならないようにと配慮し、馴染みのうどん屋さんへ。その店では、メニューにない常連ならではの注文方法がある。メニューにある「えび天うどん」を注文するとかなり大きなえび天が2本も麺の上に乗ってくる。嫌いではないが昼から2本はややこたえるので、「かけうどんにえび1本(をトッピング)」と注文する。前払いカウンターで店員の方は、奥の厨房に向かって「えび0.5」と声をかけて、「かけうどん」と「えび1本分」の値段を加算するために計算機を叩く。ちょうど「500円」、ワンコインだともちろん僕は計算機の結果を待たずに知っている。この注文が可能だということは、地元の親友に聞いた。物理的には”簡単”にできることでも、注文するとなると尻込みすることも多い。自分で勝手に思い込んでいても始まらない、何事もまずは聞いてみる「挑戦」をすることである。
夕食はどうしようかと思いきや、身体が栄養を欲していたので、やはり馴染みであるとんかつ屋さんへ。この店のとんかつは、東京を市場としてもかなりのレベルであると思う。着席してしばらくすると、優しそうな旦那さんが麦茶を持って席にやって来る。おしぼりとともに一通りのセッティングをすると、先方から「ヒレで」と笑顔で問い掛けてくれる。旦那さんは僕が「ヒレ好み」であることを心得ており、席に座ると「確認」でオーダーされる程である。店内には「ちあきなおみ」あたりの昭和歌謡が流され、壁には野球選手が来店した時の写真でいっぱいである。この日は帰り掛けに旦那さんが、「来週は休みますから」と声を掛けてくれた。後から考えて僕自身の来店頻度がどれほどかと考えたが、旦那さんが「常連」だと認識してくれている証だと、心の繋がりを感じ取る一言であった。
外食頼りではあるが
それだけに地域の飲食店に支えられている
常連となる店を持つ、今の学生たちにはこうした感覚はあるのだろうか?
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