言うが易し行うは難しは授業なり
2016-07-14
学習指導案作成そして授業実践へ
机上で考えるのと現実で実行することの大きな距離
前期授業も大詰めの時期となってきた。3年生の担当講義では、来るべき9月の教育実習に向けて「授業実践ができる」ことが大きな目標である。1・2年生で学んだ基礎教育や教科専門科目の知識をもとに、それをどれだけ応用できるかが課題ということになる。教育実習では学習指導案を作成し授業が理論的にどのように成されるかを文字化・図式化する。所定の書き方・項目に従って指導の目標や教材・学習者・指導観を記す。単元ごとの指導計画と本時の指導過程に評価や板書計画など、それを見れば授業のほとんどが見えるような書面をまずは整えることになる。まずは、この指導案作成が「できる」ようになるのが大きな目標であるゆえ、前期課題も模擬的に教材を設定し、指導案の書き方について受講者同士の協働活動で理解が深まるように進めている。
だが指導案が「書ける」のと、授業実践が「できる」のとは大きな違いがある。理論と実践をいかに融合するかも、こうした講義内容の大きな課題である。僕自身は文学部出身であり、学部時代の「教科教育法」の講義は、著名な近代文学研究者の先生が担当されていたので(もちろん教育学部に受講に行くのだが)、むしろ「近代文学」に関する知見に興味が湧き、課題はやはり学習指導案作成であったが、その内容や授業実践については、あまり学ばなかったのが正直なところだ。授業のやり方など「自分で考えるものだ」などと、やや斜に構えた姿勢が文学部の連中にはあったように思い返される。よって教育実習も大学附属校であったので、自由に授業をやらせていただき、実際にやってみてその反省から学ぶことが多かったと記憶する。そんな意味からすると、僕が現在勤務する教員養成学部では、誠に懇切丁寧に「授業ができる」ことへと導く講義を展開している。この日も班別の代表者が模擬授業に挑んだが、「やってみて」初めてそれが思い通りに行かないことを実感したという感想が多く聞かれた。授業実践とはやはり、「技術・方法」のみならず「実践経験」に自己の無知を悟り、そこからどのように思考を深めて改善していくしか道はないように思う。よって大学講義もそれに適うように、活動型において学生個々が「実践」を「体験」できることが望まれるであろう。
「単位の実質化」への対応とや如何に
活動型に向けて学生が自ら学ぶ時間を確保する循環を作ること
そうした中でやはり、「文学(教材)」の内実を考えさせたいのが僕の信念でもある。
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