坂道を登る自転車のごとし
2015-01-18
受験シーズン到来朝の寒さに身を引き締め
人生の曙を独りで見据える時
また今年も出会った。受験会場である大学キャンパスに向かう坂を、自転車を一生懸命に漕いで登る受験生である。その姿に、「18歳の自立」を象徴的に感じてしまうのは僕だけであろうか。坂道の頂きに大学正門があるのだが、そこへ向けて「頼れるのは自らの力のみ」という「無意識」のうちに、自転車という道具だけで登るという「行為」そのものに、大変意味があると痛感する。それは片や多くの受験生が、高等学校の仕立てたバスに乗車し、既にキャンパス内の駐車場で余裕の「行為」をしているからだ。その対照的な光景を見るに、稀少な前者の受験生の姿が、実に尊く見えるというわけである。(決してバスで来校する受験生を批判するものではありません。)
首都圏で育った僕は、私立中学受験を経験した。その際には、両親に自家用車で受験会場まで送ってもらった記憶がある。12歳の受験に「自立」はほとんどあり得ないであろうが、今考えるからか、うっすらと「果たしてそれでよかったのだろうか?」という疑問がつきまとう。大学受験の際は、母親お手製の弁当を持って公共交通機関で大学キャンパスまで向かった。正門が開門されるまで待機するほど早く行った覚えがあるが、その寒気に身が引き締まった。「弁当」という「食」のサポートは受けては入るが(もちろん受験料も)、「頼れるのは自分だけ」という気持ちが心のどこかで芽生えていたと記憶する。
自立して生きるのは大変なことだ
その気落ちを親子ともども持てるや否や
坂道を登る自転車を後ろから見上げてそう考えた。
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