資料整理から再浮上するもの
2012-05-07
その時テーマとしていることに関係する書物が、机から手の届く棚にうず高く山積みされている。コピーにより収集した紙資料も直近に必要な物は顕わな場所に存在し、中には学部生時代にコピーしてかなり時間が経過した物などは、奥まった場所に詰め込まれている。物理的に可視化できるか否かによっても、資料の使い勝手や選別にも影響が及ぶ。そんな状況を解消しようと、このGWには大掛かりな資料整理に着手した。要不要の判断と共に、過去に収集した資料を扱っていると、その時にどんな動機でどんな思考により、その資料を手元に置こうと思ったかが回想される。現在より純粋で素朴な思考により、自分なりの考えを持っていた頃。はてまた脇道に逸れた考え方を展開していた頃。その資料の一つ一つに、様々な研究者の“思考”が凝縮されている。それを読み取り自分なりに消化して来た歴史が手に取るように見えてくる。
単なる掃除とは違う、複眼的な思考が何度となく脳裏を駆け巡った。修士1年生という“怖いもの知らず”の段階で思考していたことが、むしろ大胆で面白いと思える一面もあった。もちろん、未完であり今後も継続して考えていかねばならないテーマも多い。ジャンルを横軸とするならば、自分の研究の進捗状況に合わせた時間的な縦軸を配慮した分類整理が、かなり進行したといえるであろう。書籍以外の紙資料は、概ね目視できる範疇に収めることができた。次の目標は、これらの完全デジタル化である。
だが、整理を通じて“紙資料”の利点も痛感した。ファイルを開かない限り見ることのできない電子資料と違い、紙面に書いてあるキーワードなどが目に飛び込んでくる。場合によると、自分が要点と意識した文面が前面に出ていて赤鉛筆でラインが引かれている。そこを読み返すことで、忘れていた思考に出会うことも多々あった。電子化は、物理的整理をするという意味では実に効率的な方法であるが、やはり紙に浮き出す文字を読み、線を引き思考の材料として脳裏に焼き付けることが性に合うと感じることも多い。
それゆえに、電子化は促進しながらも、どんな種類のものを紙資料として使用・保存するかという選別が、今後は重要になって来るだろう。手元の資料を全て電子化できたとき、それでもどの紙資料は残しておくかという選別判断が、自分自身の問題でありながら興味が惹かれる点である。
GWという貴重な休日に、過去の思考を洗い出す思いにひたった。
その上で、整理が思考を攪拌してくれることを改めて認識した。
月に1回、月末小整理の日を設けるべきという
新たな習慣も設定しようという思いも強くした。
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