サッカー選手のコミュニケーション能力と組織力
2010-06-26
25日(金)W杯の予選リーグ通過が決定した。大会前のテストマッチに連敗した頃は、マスコミなども口を揃えて不安を喧伝していたが、いざ本番となれば堂々とした結果を残した日本代表チーム。今や、欧州などでも、その戦術などを中心に大変高い評価を得ているなどと報道されている。本番で勝てば何も言われないのは、世の常かも知れないが、いかに日本人が、短絡的にまた悲観的に物事を考え、一時的な中で冷めやすいのに、批判のみを熱くしていたかがわかる。冷静に物事を客観的に捉え、そして進めていたのは、むしろ選手たちと岡田監督らの当事者たちだけだったのかもしれない。目標をベスト4とすれば、様々な言われ方をし、ましてや本田選手が「優勝」などと口にすると、その言い方に批判が集中したり。しかし、岡田監督もしかり、特に本田選手、松井選手あたりもそうだが、世界的な基準で物事を考えていたように思える。
この日、特に欧州で活躍している際の、本田選手のインタビュー映像を見る機会があった。それは、英語を中心としてご当地の言語でインタビューに堂々と答えている映像だ。時としてその言語は、文法的に破綻していたりするが、しかし、そうした些末な事よりも、本田選手が、ご当地の人々に何らかのメッセージを伝えようとしている姿が印象的であった。しっかりとしたコミュニケーションをとろうとして、その国の言語で表現しようとする姿勢は、従来の日本選手にはなかったようにも思う。
中田英寿選手が、言語に堪能であるのは比較的有名だが、欧州などでサッカー選手として成功する秘訣は、技術・体力は勿論だが、この言語能力、コミュニケーション能力が高いことが求められるのではないだろうか。
自分の考えを、様々な言語で、その国の人々に伝えようとする力。そんなコミュニケーション能力が、日本サッカーにおける組織力の原点にあるように思うのだ。
そんな意味で、初出場から4大会目に当たる、今W杯大会において、日本サッカーの進化を別な面から、見つめてみることも必要なのかもしれない。
外国語学習への姿勢が、妙に奥手であった過去の日本人意識を乗り越えた選手が、多く出て来たことこそ、この大会の成果に繋がったというのは、やはり短絡的な解釈であろうか。
いずれにしても、体力的には劣る日本人が、組織力を発揮してこそ、その特長を活かしたことになるということに、異論はないであろう。
組織力を作るには、やはり構成する個々の人間同士が、コミュニケーション能力を高めていないと実現できないのも理解できる。
個々の力と組織力、日本人が様々な分野で考えていかねばならない課題であるとも思うのだ。
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