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煩悩があるからこそ人生は

2010-06-23

22日(火)宵のうち英会話を前に、毎度恒例の洋食屋さんでの夕食が楽しみだ。料理の内容も、1週間で1番スタミナが付くもので、筋肉トレーニングの支えともなっているといってよい。同時に、店の奥さんやおじさん、それにこの時間帯に常連である老人と交わす四方山話がおもしろい。

 この日は、どうも料理の出が遅いと思いきや、知人に不幸があって夕刻に戻ってきたばかりであるという。仕込み準備が万全でなく、やや時間が掛かっているらしい。そうこうしていると、奥さんが、「変な話ですが」と切り出した。葬儀後、お清めの食事の中に「赤飯」があったという。それは「極楽浄土に召されて、煩悩もなく楽にしていられるようになったお祝い」の意味があるという。そうか、そんな発想もあるものかと老人と2人で感心したものだった。

 すると90歳にも近いその老人が、「しかし、煩悩があるから人生は面白いんだよ」と呟いた。一瞬、90歳近い老人に葬儀の話も何かと思ったが、しかし、この元気な老人の捉え方は巧妙であった。「煩悩」とは、辞書に拠れば「一切の欲望・執着や怒り・ねたみなど。」(『新明解国語辞典』三省堂)とある。そして、この「煩悩」を捨てるのが仏道修行の道である。だが、凡人である我々は「煩悩」があってこそ人生を楽しめるのである。

 老人のことばには、これまで生きてきた人生の重みがある。「煩悩」を消し去ることが「極楽」であるとするなら、その前に「煩悩」を存分に味わっておく必要もあるというわけだ。90歳に近い身体で、週に2回のプールトレーニングをこなし、洋食屋でステーキを頬張る老人こそ、生きることの師匠に他ならない。

 煩悩があってこそ人生は面白い

 ともすると悩みに押しつぶされそうになる世の中

 長年生きてきた老人のことばに耳を傾けて

 ステーキを食べて元気になった身体で

 また外国語学習という「煩悩」に立ち向かう

 生きることは素晴らしい
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