1枚のスクラッチくじ
2010-06-16
15日(火)火曜日は英会話に通う日だが、その前の食事は、常連となった洋食屋さんへ。ちょうど前週に商店街のスクラッチくじをもらっていて、その中の1枚が100円に当選していた。この日に、また洋食屋さんで使用しようかと思っていたところだったが、英会話で使用するノートがないことに気付いた。食事の前にコンビニで買おうかと意図していたが、そういえば洋食屋さんのそばに、文房具さんがあるのを思い出した。
その街は、学生時代からよく歩いた商店街なので、その存在が記憶にあった。コンビニに行きかけて、途中で横断歩道でない場所を強引に横断、そして文房具屋さんへ。表紙の堅いやや高級な420円のノートを1冊購入し、店のおじさんに当選くじの100円は使用できるかを尋ねてみた。すると「うちで使えますよ」という返答。320円の現金を払い、ノートを割引で購入できた。
すると店のおじさんが、「今日までが期限だから、くじをやっていきますか?」といいつつ、購入した額に応じて枚数が決まっているはずのところを、10枚ぐらい渡してくれた。「その場で削ればどうか」といったおじさんの意図を感じたが、当選したときの使用期限を聞くと今月中だという。「では、もし当たっていたら、また来ますね!」と声を掛けて店を出た。
食事も英会話も全てが終わり、家に帰ってスクラッチを削った。すると10枚中3枚が100円に当選していた。トータルで考えると、文房具屋さんでは、320円を支払ったが300円がくじにより戻ってきたことになり、ノートは定価420円なので、そのうち消費税分の20円のみ支払ったことになる。じつに幸運な買い物運であるものかと感心しつつ、複雑な心境になった。
気持ちとしては、その文房具屋さんで、また必要なものを買おうかと思うようになった。くじは、商店街振興会などが主催するのだろうから、文房具屋さんに損益はないはずだ。しかし、期限最終日とはいえ規定外で10枚のくじを渡してくれた心意気に感謝したいものだ。考え方によっては、くじが余ってしまうほど、売り上げはかんばしくないのかもしれない。商店街振興の意味を考えると、1枚のくじによって文房具屋さんに足が向いたのだから、その効果を十分に発揮したことになる。
昨今、商店街において経営難で店を閉じなければならないケースが目立つと聞く。我々も、ともすると何でもコンビニやスーパーで購入しようとする。しかし、親しみのある街であればあるほど街の「〜屋さん」に行くべきではないだろうか。学生時代に育てられた街で、新たに常連となるべき店がもう1件増えた。
1枚のスクラッチくじがある店に客を導いた
商店街では昔、ガラガラと回して色の付いた玉が出る抽選があった
当たると街の人気者のおじさんが鐘を鳴らしていた
街が息づくような光景はいまや
せめて法外なくじをくれたおじさんの気持ちに応えることで
何か忘れたものを取り戻せるような気もする
コンビニ側から強引に道路を横断した1人の客は
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