今を映す為の故事・格言
2009-12-19
18日(金)様々な考えが心の中を去来する。それゆえやろうとしていることが効率よく進む精神状態ではない。自ずと様々な事例と今を比較して、こういうこともあるのかと納得する場合が多い。今朝の天声人語に引かれた故事「尾生の信」はこうだ。
古代中国に尾生高という男がいて、橋の下で女と会う約束をしていた。待ちに待ったが女は来ない。折からの雨に川は増水してきたが、かたくなに約束を守ってその場を離れなかったそうだ。水が引いたあと、人々は橋脚にしがみついて死んでいるその姿を見つける。
「約束を違えぬ誠実をほめるか」「融通のきかない愚直を笑うか」と紙面には続き、「マニフェストを巡る民主党の逡巡」と胸中で重ね合わせたとある。「誠実」とするか「愚直」とするかという一語の表現にも、深い思索のあとがあるはずであり、結果として受け取る側の人間の今が、おぼろげにも映し出されるはずだ。故事や文学作品は自ずとこういう宿命を持つものである。
淡々とした中で進んだ1日。気づいてみると今年もあと2週間を切っている。だいたいにしてその暦というもの自体が、人間が作り出した時間に他ならない。今の自分自身の時間をどう生きるか。更なる深みの中で思索や知恵を絞っていたいものだ。
使用している手帳の格言に次のようにあった。
時代は、時計の短い針のように、
止まっているように見えて、
気がつくとずいぶん大きく動いているものですね
1年が終わるよ、という時期にそんなことを思っています。
この日は、故事や格言に今の自分を委ねたが、こうして生きる自分自身が、そしてその毎日を綴る小欄が、いつしか故事・格言になるよう、毎日を掬い取り表現を磨いていく決意を新たにするのだ。
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